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本記事では次のような悩みを解決します。
- 一人称を使ってもいいのか
- 一人称を避けるコツはあるのか
文章を書くといったら、「読書感想文」ぐらいしかやったことがない人も多い。そんな人達にいきなり、
「レポートと感想文は違うんだよ」
といっても、困惑するだけです。
そこで、本記事では一人称の使い方をわかりやすく解説します。加えて、「なぜ一人称を使ってはいけないのか」というところまで解説するので、レポートの本質を理解できるようになります。
結論
レポートでは一人称を言い換えて、できるだけ使わないようにする。レポートの種類によっては使うこともある。
目次
一人称の基本的な知識
レポートの一人称について解説する前に、知っておいてほしいことがあります。それは次の2つです。
- 文章の一人称は「私」にする
- 一人称を使うと「主観的」な文章になる
詳しく解説していきます。
文章の一人称は「私」にする
レポートに限らず、基本的に文章を書くとき、一人称は「私」を使います。
男子は「私」を使うことに、少し抵抗があるかもしれません。しかし、男女問わず、以下のように言い換えるのが常識です。
「僕は~」「自分は~」
→「私は~」(筆者は~)
大人なら「私」を使うようにしましょう。
一人称を使うと「主観的」な文章になる
まずは、一人称を使った文章を見てみます。
「私は~をした。そして、私は~と思った」
この文章には、自分のことしか書かれていません。自分のやったことや意見を、みんなに押し付けている。そんなイメージがします。
このように一人称が多い文章は、主観的になってしまいます。そして主観的な文章には、以下のような特徴があります。
- みんなを説得するのが難しい
- 賛同を得られる文章になりにくい
つまり「私は~」を多用すると、独りよがりな文章になってしまうのです。
レポートの一人称について
上では「私」について話しました。
ここでは「レポート内の主語」に焦点をあてていきます。基本的にどんなレポートでも、次の2つを気を付けてほしい。
- レポートでは一人称をほとんど使わない
- レポートでは主語を「論点」にする
詳しく解説します。
レポートでは一人称をほとんど使わない
レポートで一人称を使わない理由は2つあります。
- 教授はレポートに客観性を求めているから
- 登場人物が自分ひとりであるから
以下で詳しく話します。
主観的な文章。
それは大学の教授が毛嫌いする文章です。なぜなら、論文という「客観的な文章」を書くのが、教授の仕事だからです。だから、学生のレポートにも客観性を求めている教授が多い。
教授からの高い評価を得たいのなら、論文と同じような文章を目指せばいい。
論文では、一人称を使うことがほとんどない。それと同じように、レポートでも一人称を使わないようにしておけばいいのです。
「私」を使うのは、文章の中に登場人物が複数いるとき。
レポートで書くのは「自分」の考えなので、レポートで登場するのは、自分一人だけです。だからわざわざ「私は~」という必要がありません。
レポートでは主語を「論点」にする
「私」を使うなと言われても、使いたくなってしまう。
という人もいるでしょう。そんな人は、「論点」を主語にすることを意識してみてください。
「論点」を主語にするとは
たとえば「憲法9条の改正」についてのレポートを書くとき。
この場合、主語を
「憲法9条を改正するメリットは~」
「憲法9条を改正するデメリットは~」
「憲法9条を改正するためには~」
というようにします。
そうすると、「私は~」と使うことはありません。
つまりここで言いたいのは、
客観的な文章を書くときは、「自分の意見」をベースに書いてはいけない。「事実」をベースに意見を書く必要がある。
ということです。
一人称の使い方
どんなレポートでも、客観的な文章を書くことを私はおすすめしています。が、一様にレポートといっても、レポートの種類によって、求められる客観性のレベルが違ってくる。
そこで、レポートの種類別に、一人称の使い方を解説します。レポートを以下の5つに分けました。
- 感想レポート
- 意見を述べるレポート
- まとめるレポート
- 論証するレポート
- 実験レポート
それぞれ解説します。
感想レポートの場合
「講義の感想を書きなさい」
このような課題の場合。
他のレポートに比べると、そこまで客観性は必要ありません。「私」を使ってもOKです。
ただ、「私は〇〇が不思議に感じた。そして、〇〇になることは面白いと私は思った」というような文章は幼稚に見える。
だから、結局「私」が主語の文章は避けることになります。さらに感想レポートの詳しい書き方を知りたい人は、こちらをどうぞ。
リアクションペーパーの書き方|評価される講義の感想を例を用いて解説意見を述べるレポートの場合
「~について意見を述べよ」
という課題の場合。
あまり「私」を使うことはありません。自分の意見を述べるといっても、客観的な表現が求められているからです。
しかし例外的に、「私」を使うことがあります。それは、レポートのはじめに自分の主張をズバッと短く言うときです。次の文をみてください。
「私は憲法9条の改正に賛成である。なぜなら~」
「憲法9条の改正に賛成である。なぜなら~」
「私」を省略すると、主語がなくなってしまうので、なんか違和感がある。こういう場合には、「私は」を使ったほうがいいでしょう。
まとめるレポートの場合
「授業の内容をまとめなさい」
「この本を要約しなさい」
という課題の場合。
「私」を使うことは、まずありません。なぜなら、まとめるタイプのレポートに自分の意見をいれてはいけないからです。書く内容は、客観的な事実だけ。
「私」と書いている時点で、それはもう客観的な事実ではありません。このタイプのレポートで「私は~と考える」と書くのは厳禁です。減点されることもあるので、注意してください。
論証するレポートの場合
「~について論じなさい」
という課題。これは論文と同じ形のレポートです。
この場合も、「私」を使うのは避けます。とはいえ、どうしても「私」を使いたくなる場面が出てきます。そういうときに「私」を使わないテクニックを、以下で紹介します。
次に、この問題について検討する
このように、レポートの最初に何を書くか、次に何を取り上げるか、といった順序を示すとき、主語は「私」になっています。このような場合は、「私」を省略すればOKです。
この他にも対処法があります。
本レポートは、〇〇を検討することを目的とする。
「本レポートは~」「本稿は~」を主語にすることで、「私」を避けることができます。
私は~と考える
→~と考えられる
自分の見解や批判を述べるとき、「私」を使ってしまいそうになる。このような場合は、「考えられる」と受け身にすることで、「私」を避けられます。
実験レポートの場合
実験レポートでは、「私」という言葉を一切使ってはいけません。
「私」という言葉を使っただけで、一気に客観性が失われた文章となってしまうからです。たとえば以下のように言い換えます。
目的
私の実験の目的は~である。
→本実験の目的は~である。
実験方法
私は~の実験をした。
→本実験では、~をした。
実験結果
私は~が変化したのを見た。
→~が変化した。
考察
実験の結果より、~と私は考える。
→実験の結果より、~と考えられる。
意識すべきことは、主語を「本実験」としたり、「実験対象」にしたりすることです。すると、「私」を使わないで表現することができ、客観的な文章ができあがります。
まとめ
本記事で言いたかったこと。
それは、「一人称を使うな」ということではない。「客観的な文章を書け」ということを伝えたかった。
「一人称を避ける」というのは、客観的な文章に必要な要素の一つに過ぎません。たとえ一人称を使わなかったとしても、文章が客観的でなかったら意味がないのです。
だから、客観的な文章の書き方がいまいちわかっていない人は、他にも勉強しなくてはなりません。本サイトでは、
- どんなわかりやすい文章の書き方
- レポートで使ってはいけない文末表現
などなど、客観的な文章表現について詳しく解説しているので、そちらをどうぞ。
結論
レポートでは一人称を言い換えて、できるだけ使わないようにする。レポートの種類によっては使うこともある。
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