大学文章論https://ac-writing.comTue, 07 Nov 2023 13:52:32 +0000jahourly1https://ac-writing.com/wp-content/uploads/2023/09/cropped-大学文章論アイコン-32x32.png大学文章論https://ac-writing.com3232 パラグラフ・ライティングの作法|文章構造で何をいいたいか伝わりやすくするhttps://ac-writing.com/paragraph-writing/Tue, 15 Mar 2022 15:05:12 +0000https://foreken.net/?p=16853

だれもが一度は思ったことがあるはずです。 「文章を ”楽に” そして ”分かりやすく” 書ける魔法のような方法はないものかね」 と。 実はあります。それがこのパラグラフ・ライティングです。 このパラグラフ・ライティングは ... ]]>

だれもが一度は思ったことがあるはずです。

「文章を ”楽に” そして ”分かりやすく” 書ける魔法のような方法はないものかね」

と。

実はあります。それがこのパラグラフ・ライティングです。

このパラグラフ・ライティングは文章構造の「型」です。だれもが論理的で読みやすい文章を書くことができる「型」です。

このやり方さえ習得できれば、文章は格段に書きやすくなります。

これから詳しく説明します。

パラグラフ・ライティングとは

パラグラフ・ライティングとは、伝えたい内容を「段落ごと」にわけて書く手法のことです。

段落ごとにいいたいことが一目で分かるため、読み手が読みやすい文章構成となります。

基本的に以下の文からパラグラフは成り立ちます。

  • トピック・センテンス
  • サポート・センテンス
  • コンクルーディング・センテンス
  • リンキング・センテンス

これらのカタカナを見ても、なんのこっちゃ分からないと思います。ここでは、

「パラグラフ・ライティングでは段落分けがされていて、それぞれの文章に役割があるのね」

ということが分かれば、それで結構です。

これから具体例をあげながらパラグラフ・ライティングのやり方を説明します。

パラグラフ・ライティングのやり方

パラグラフ・ライティングは、以下の方法さえ守れば、だれでも自由自在に使いこなすことができます。

  • パラグラフで言いたいことはひとつまで
  • トピック・センテンスはパラグラフの冒頭にもってくる
  • サポート・センテンスでいいたいことの補助をする
  • 必要あればコンクルーディング・センテンスやリンキング・センテンスを使う
  • トピック・センテンス同士がつながるようにしないといけない

難しいことを書いているようですが、案外簡単です。

以下でくわしく説明します。

パラグラフでいいたいことはひとつまで

段落分けされた文章のあつまりのことをパラグラフと呼びます。パラグラフでは、いいたいことを”ひとつだけ”に絞って書きます。

以下、「僕は愛子ちゃんと付き合いたい」ということをいいたいこととして、パラグラフを書いてみました。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

このパラグラフはどのように作られたのでしょうか。これから説明します。

トピック・センテンスはパラグラフの冒頭にもってくる

「トピック・センテンス」とはパラグラフの一番はじめの文のことです。

このトピック・センテンスに、いいたいことを書きます。パラグラフの芯となる文章ですので、パラグラフの要約文という認識でもよいです。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

この例文を読めばわかるとおり、パラグラフの冒頭文さえ読めば、パラグラフ全体の内容が大まかに分かります。

このトピック・センテンスが、パラグラフ・ライティングの肝です。

サポート・センテンスでいいたいことの補助をする

次に「サポート・センテンス」を書いていきます。

これはその名の通り、補助的な役割の文です。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

例文のサポート・センテンスでは「愛子ちゃんが好きで、付き合いたい」と考える理由や経緯を説明しています。文字通り、言いたいことをサポートしているのがわかるでしょう。

サポート・センテンスを書く上で注意してほしいのは、話が脱線してはいけないということです。「愛子ちゃんが好きだ」ということをメインで言っているのだから、

「梨花ちゃんのことも気になっている」

といった関係のない話はしてはいけません。

必要あればコンクルーディング・センテンスやリンキング・センテンスを使う

そして最後の文が「コンクルーディング・センテンス」です。

こちらはパラグラフ全体をまとめるセンテンスで、最後にもってきます。トピック・センテンスと同じ内容を繰り返すこともあります。

このコンクルーディング・センテンスはあってもなくても構いません。必要なときに付け加えるというイメージです。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

コンクルーディング・センテンスと同じように、必要があれば「リンキング・センテンス」を使うこともあります。

リンキング・センテンスとは、パラグラフとパラグラフとを論理的につなぐ役割を果たす文のことです。通常パラグラフの最後に付け加えますが、次のパラグラフの最初に書く場合もあります。

トピック・センテンス同士がつながるようにする

パラグラフ・ライティングでは、トピック・センテンス同士がつながるようにしなくてはいけません。これも重要です。

以下、パラグラフ・ライティングで書いた文章です。読むのがおっくうな方は、もちろん全文読む必要はありません。パラグラフ・ライティングなのでトピック・センテンスだけ読んでみてください。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたのが、異性として意識しはじめたきっかけだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。
 ただ心配なのは、僕ばかりが愛子ちゃんのことが好きで、彼女のほうは誰を好いているのか分からないという点である。彼女は以前、僕に優しくしてくれたことがあったため、僕のことが好きだという可能性はある。しかし、ここで注意したいのが誰にでも優しいという彼女の性格である。彼女は僕以外の男にも優しくしているだろうから、一度優しくされたからといって僕のことが好きだという証拠にはならない。
 この状況で僕が彼女と付き合うために必要なことは、彼女が誰に好意を抱いているか調査することである。なぜなら、彼女に好きな人がいるのか、そして誰のことが好きなのかが分からないと、手の打ちようがないからである。告白をして相手の気持ちを確かめることも可能だが、振られるリスクが高いため現実的ではない。もし仮に他の男子のことが好きだと分かれば、進んでやりたくはないがその男子の悪い噂を流すことも考えられよう。また、彼女が僕のことが好きなのであれば、僕のほうから告白してあげないこともない。要するに僕の次のアクションを決めるためには、彼女の胸の内をすこしばかりでも理解しておく必要があるというわけだ。

トピック・センテンスで話の流れがつながっていると思います。

話の流れをつなぐために重要なのは、「トピック・センテンスは何にしようか」と考えながら書いてはいけないということです。

行き当たりばったりではパラグラフ・ライティングはできません。文章構成を練るときに文章を考えておく必要があります。

この構成を練るときに考える文章のことを「アウトライン」というのですが、話が長くなるのでここまでにしておきます。

まとめ

以下にパラグラフ・ライティングを構成する文の説明をまとめました。

  • トピック・センテンス
    一番言いたいことや重要なことを要約した文。パラグラフの先頭にもってくる。
  • サポート・センテンス
    トピック・センテンスで言ったことの定義や根拠、事例や手順などを述べた補助的な文。
  • コンクルーディング・センテンス
    パラグラフが長くなった場合に、パラグラフ全体をまとめたりトピック・センテンスをもう一度繰り返す文
  • リンキング・センテンス
    パラグラフとパラグラフとを論理的につなぐ役割の文。通常パラグラフの最後に付け加えるが、次のパラグラフの最初に書く場合もある

基本的につかうのは、トピック・センテンスとサポート・センテンスです。とりあえずこれらを覚えておけば問題ありません。

そして重要なのは、トピック・センテンス同士のつながりです。うまくつなげるためには、文章を書くよりまえに文章構成を練っておくことが大切です。

ここまでできればパラグラフ・ライティングは誰にでもできます。

本記事ではほんのちょっとふざけた例文をあげてしまいましたが、論文やレポートなど論理的に書きたいときに大いにつかえる手法です。使いこなせるようになっておいてください。

参考文献

]]>
大学におけるレポートとは|誰もが納得する文章であることが重要だhttps://ac-writing.com/what-is-a-report/Mon, 14 Mar 2022 17:16:14 +0000https://foreken.net/?p=20827

レポートとは、具体的にどのような文章なのでしょうか。 多少レポートの書き方を学んだ方であれば、このように答えるやもしれません。 「序論・本論・結論に分けて書かれた文章」「感想を書いてはいけないもの」「事実と意見を分けて書 ... ]]>

レポートとは、具体的にどのような文章なのでしょうか。

多少レポートの書き方を学んだ方であれば、このように答えるやもしれません。

「序論・本論・結論に分けて書かれた文章」
「感想を書いてはいけないもの」
「事実と意見を分けて書かれた文章」

はい、どれも正しいです。しかしながら、どれもレポートの本質とは少しずれています。

というのも、これらはどれも上手くレポート書くための「テクニック」だからです。私の問いはもっと深いところにあります。

レポートとは、いったい何なのでしょうか。そもそも、なぜテクニックを使わないといけないのでしょうか。

答えを出すのはかなり難しいです。

「レポート」とひとことで言っても、種類はさまざまだからです。お題によって書き方が変わってくるし、文系と理系でも書き方が多少違います。

ただ、どのレポートも”本質”は変わらない気がする。

答え探しに苦心してあれやこれやと考えてみた結果、私はこのように結論づけました。

大学レポートの本質は、他人を納得させる文章であること

この理由について説明してみたいと思います。

レポートで重要なのは「他人を納得させる文章」であること

レポートで大切なことは、だれが読んでも納得する文章であることです。

ここでポイントとなるのが、ここでいう”納得する文章”は”分かりやすい文章”とは異なる意味だということです。

分かりやすいというのは文章において至極当然なことです。私が言いたいのは、分かりやすいのもっと先。読んだ人に「なるほど」と言ってもらえるような文章がレポートには必要です。

ここであなたが気になったのは、なぜ「なるほど」と言ってもらう必要があるのか、ということではないでしょうか。

この答えが分かるようになるには、「高校までの学問」と「大学での学問」の違いについて理解しておく必要があります。

振り返ってみてください。

高校までの学問と言えば、”受け身”で学ぶものでした。教科書に書いてあることを理解し、知識を習得すること。これがメインの活動だったわけです。

しかし、大学では違います。

大学は、学問を世の中に”届ける側”です。研究をして、理論を生み出すところです。そして、生み出した理論を世の中に広めなくてはなりません。

「受けとる側」と「届ける側」。学問に対するベクトルが異なります。

ここが大きな違いです。

大学では、理論を世の中に広めるために、文章を使います。いわゆる論文というヤツです。

このとき、読んだ人が「なぜ?」「どうして?」「それは嘘だ!」とならないように慎重に書かねばなりません。「この理論は信用できる」と思ってもらえて、やっとこさ、研究成果となるからです。

逆に言えば、この世の中を変える”世紀の大発見!”をしても、人を納得させる文章技術がなければ、悲しいかな、誰もその理論を信用してくれません。

大学では「誰もが納得する文章」を書くことが、何よりも大事なことです。

この説明で、ぼんやりとレポートというものの存在がわかってきたでしょうか。

抽象的すぎて、まだいまいちピンと来ていない人も多かろうと思います。次で、どんな要素がレポートに必要なのか説明していきます。

納得させるには「客観性」と「論理性」が必要

人を納得させるために重要なのが、「客観性」と「論理性」です。

さらっと言いましたが、この「客観性」と「論理性」は本当に本当に大事。軽んじてはなりません。

客観性がなければ上手く話が伝わらないし、論理性がなければ誰もあなたが言っていることを信じてくれません。その理由について詳しく説明します。

 

客観性がないと正しく話が伝わらない

正しく話を伝えるためには、「客観性」が必要です。

「ええっウソ!いつも人と話していて”キャッカンセイ”とやらを意識せずとも、上手く話せているよ!」

という人もいることでしょう。けれどもそれ、本当に伝わっていますか。”なんとなく”伝わっているだけではないですか。

この”なんとなく”を”ハッキリ”に変えてやるのが客観性です。

たとえば、ゾウを知らない人にどんな動物が伝えるとします。このときにどう伝えると本物に近いサイズ感を伝えられるでしょうか。

まず思いつくのがこのような表現です。

「とても大きい動物だよ」

この表現で、あのゾウのサイズ感が伝わるでしょうか。

否。「とても大きい」だけでは難しい。

なぜなら、人によってイメージする大きさが違うからです。「とても大きい」では馬ぐらいの大きさをイメージする人もいるでしょうし、大型犬くらいの大きさを想像してしまうかもしれません。

ですから、こういうときは比較してあげたほうがいい。

「馬よりも大きい動物だよ」

と書いたほうが伝わりやすいでしょう。比較対象があると人ってヤツは理解しやすくなる。ただ、これでもゾウが馬よりどれくらい大きいか想像できません。

比較よりも、数字で示してやったほうがサイズの解像度がぐっと上がります。

「体長はが6m程度ある動物だよ」

と書けば誰がみても大きさが伝わるでしょう。”何となく”が”ハッキリ”に変わりました。

この「いつ、誰がみてもそうだと認められる表現」、これこそが客観性です。

テクニック論にはなりますが、

比較で伝えること

数字で伝えること

というのは文章を客観的にするために有効なワザです。意識してみてください。

感想も人には伝わらない

感想も正しく人には伝わりません。客観的ではないからです。

たとえば、トマトが大嫌いという人に、

「このトマトおいしいから食べてみて」

と言って、実際に食べてくれる人はどれくらいいるでしょうか。

私がトマト嫌いだったら「やめとく」って言うと思います。

おいしいというのは、その人が感じた「感想」で、私も同じようにおいしい感じるとは限らないからです。マズいものは極力口にいれたくない。

ただ、みんながみんな食べてくれないと言っているわけではありません。もちろん共感して食べてくれる人はいるでしょう。

しかし、それは一部です。

私のような人がいる限り、どれだけ熱意を込めて「トマトのおいしさ」を伝えたとしても、全員にそのおいしさは伝わりません。

では、どうやって伝えるのか。

それは事実をもとに話すことです。

「トマト特有の臭みがなくなっていることがデータで示されている。だから今までのトマトとは違うんだ」

と。こう言えば多くの人は「ちゃんとデータが出ているのね。臭みがないのなら食べてみようかしら」となるわけです。

事実は普遍です。誰がみても事実は事実。だからこそ事実をもとにした客観的な意見というのは、みんなが納得します。

ただ、分野によっては、事実がわからないものもあるでしょう。すぐに思いつく分野は、文学や哲学などです。思想は目に見えません。あるのは過去に書かれた文字だけ。こういうものは、

「学者がこのトマトは臭みがないと言っていた。だから今までのトマトとは違うんだ」

というように自分以外の人の意見をだすことで、信用してもらいます。

この部分を説明するとなると長くなるので、詳しく知りたい方は、参考文献なしのレポートではダメな理由をどうぞ。

このようにレポートを書くときは、

事実をもとに考えを述べること

信用できる文献から引用して考えを述べること

これらを意識してみてください。

学問において自分の感想はあまり意味を持ちません。人それぞれ感じ方が異なるからです。

もちろん、先生に感想をかけと言われれば書いてください。ただそれは”感想文”であって、ここでいう”レポート”とは区別しておくほうが好ましいです。

論理性がなければ誰も信じてくれない

「論理性」というのは、筋道がたっていることです。

ことばでは意味を理解している方も多いでしょうが、なんとなく軽い気持ちで「自分の文章は論理的だ」と思い込んではいないでしょうか。

文章がつながっていればいい。突拍子もないことを言わなければいい。このような軽い気持ちで。

もしそうだとしたら要注意。

論理性というのは、思っているよりもシビアで、奥が深い。なんとなく文章がつながっているというだけで論理的とはいえません。しつこいようですが、”なんとなく”ではダメです。

では、どんな文章が論理的だと言えるのでしょうか。

「論理的」を理解するための例として、推理小説を思い浮かべてもらうと話が早い。推理小説でこのようなシーン、よく見かけると思います。犯人だと疑われて、

「俺は犯人じゃない!その時間、俺は外出してたんだ!」

と返答する人。この人は「俺は犯人ではない」という意見をのべて、そのあとに「犯人ではない理由」をつけくわえています。もし、ここで単にひとこと、

「俺は犯人じゃない!」

とだけ言ったらどうでしょうか。誰からも信じてもらえないのは言うまでもありません。人が納得するのは、「理由」や「経緯」がわかるときだけです。

「理由」や「経緯」がわかる文章、これが論理的な文章といえます。

ただ、例のようにひとつの理由だけでは、カンペキな論理だとはいえません。まだまだ浅い論理です。

「外出していた」というアリバイひとつだけだと、ほとんどの方は、

「証人がいないので、まだわからない」
「ウソを言っているのでは?」
「他にグルがいるのでは?」

などなど、さまざまな疑問が浮かんでいることでしょう。このようにひとつだけの理由では、まだ信じてもらえません。もっと「論理」を深める必要があります。

たとえば、

「俺は犯人ではない。なぜならその時間、俺は外出してたんだ。証人もいる。その証人は自分とはまったく交友のないあかの他人だ。あかの他人だという理由は~」

などと筋道をたてて説明する必要があります。

さらに、自分は犯人ではないと証明する方法があります。それは他の人が犯人だということです。

「俺ではなく、あいつが犯人だ!なぜなら~」

と説明できれば、もっと説得力が増します。違う視点から自分を援護するワザです。

このように論理的というのは、「俺は犯人ではない」というひとつの意見について、理由と経緯を深堀りしていくイメージです。

もっと分かりやすくイメージで伝えると、「広く浅く」ではなく「狭く深く」です。このイメージは、レポートにおいてすこぶる重要です。

「広く浅く」の例をあげてみます。

「俺は犯人ではない!俺ではなく、あいつが犯人だと思う!あいつが俺を犯人にしたてあげようとしているんだ!」

いっけん文章がつながっているように見えますが、意識してよんでみると、ただ意見の羅列をしているだけの文章です。

主張がおおいぶん、理由や経緯に文字数をさくことができなくて浅い。理由や経緯が分からないから、ひとつひとつの意見が信用できない。それぞれの文が論理的につながっていない。

”なんとなく”つながっているのです。

このような”なんとなく”つながっている文章を避けようとすると、おのずと理由や背景に文字数をつかうことになる。話題を絞って、ひとつの主張について深堀りをすることになる。

研究もレポートも推理小説と同じように、

「どうやってその結論にたどりついたのか」

そこが肝要です。

ひとつの意見に対して、背景や理由、経緯などを総動員して説明することで、やっとその文章は論理的だと言えるようになります。

分かりやすいイメージで言うと、名探偵が「犯人はあなたです!」と言ったあと、一人語りをながながとするでしょう。「犯人はこういう手口を使って、ああいうトリックをつかって・・・」と。あれと同じ要領です。

以上のようにレポートを書くときは、

論理的な文章とは理由や経緯がしっかりと説明されている文章のこと

視点をかえて、対立する意見の弱点をつくことも重要

「広く浅く」ではなく「狭く深く」考えること

これらを意識してみてください。

まとめ

本記事では、「レポートとは誰もが納得する文章である」ということを伝えました。

実は、これと同じようなことを高校数学で既にやっています。

思い返してみてください。

数学では答えを書く際に、答えだけでなくその答えにたどり着いた過程を書かされていたでしょう。

今思えば、その解答は数字をつかって客観的に説明されており、結論までの論理もつながっていたことが分かります。

知らず知らずのうちに、あなたも人を納得させるためのテクニックを使っていたのです。

このように、「客観性」「論理性」をつかって、だれが読んでも納得するように書くことは、往々にしてあります。

大学だけでなく社会人になっても使える考え方です。心に刻んでおいて損はありません。

]]>
レポートにおける結論の書き方|「おわりに」についての根本的な考え方を伝授するhttps://ac-writing.com/report-conclusion/Mon, 21 Feb 2022 13:47:33 +0000https://foreken.net/?p=19159

実は、レポートの結論には型があります。 と聞くと、結論を書くことというのは案外容易なように思われますが、そうとも限りません。その型は、レポートの分野あるいはお題によって多少異なるからです。ゆえに、 「この型で書かれよ!」 ... ]]>

実は、レポートの結論には型があります。

と聞くと、結論を書くことというのは案外容易なように思われますが、そうとも限りません。その型は、レポートの分野あるいはお題によって多少異なるからです。ゆえに、

「この型で書かれよ!」
「この型で書かれたら間違いなし!」

などと断言しにくいのです。

とはいえ案ずることなかれ。型のみを学ぼうとするのではなく、結論の本質をつかもうとすれば、細やかな違いに対処できるようになると思います。

そこで本記事では、レポートを書きなれていない方向けに、

  • そもそも結論とはどのようなものなのか
  • どのぐらいの分量が目安なのだろうか
  • どこに気をつけて書けばよいのだろうか

というような疑問にどしどし答えていくことといたします。

結論の分量は10~15%

ご存じの通り、レポートは「序論」「本論」「結論」からなります。それぞれの分量の目安はご覧の通りです。

  • 序論
    →分量は全体の10~15程度
  • 本論
    →分量は全体の70~80%程度
  • 結論
    →分量は全体の10~15%程度

結論の分量は全体の10%〜15%であることが望ましいと言われています。

しかし、これはあくまでも目安でありまして、絶対的な法ではありません。場合によっては守る必要のないものです。

仮に、以下のように結論に書き連ねたとします。

  • 内容のないことをあれやこれやと並べ立てる
  • 同じようなことを何度も何度も繰り返し述べる

これで本当に結論としての役割を果たせるでしょうか。いや、果たせていないでしょう。「必ずや10%は書かねばならぬ!」と鼻息を荒立てるのは無駄なことなのです。

ここまでの話で気づかれた方もいらっしゃると思いますが、結論で最も意識するべきところは分量なぞでは決してありません。なにを述べるかが肝要です。

というわけで、ここからわたくしの話題は、分量の話から内容の話に移ってゆきます。

結論の役割

さて、結論の内容について話すまえに、考えておきたいことがあります。

それは、「結論はなぜ必要なのか」ということです。結論の目的はなんでしょうか。

いきなり何を言い出したのかと不思議にお思いになられるかもしれません。

「はやくテクニックを教えろ」
「テンプレートを先にだせ」

とヤジが聞こえてきますが、少し落ち着いてください。

ガチガチに書き方を教わっても、すこしお題や構成が変わるだけでうまく書けなくなってしまいます。だからテクニックやテンプレートよりも先に役割を知ることが肝心です。

役割を知ると結論で何を書くべきかが見えてきます。そうなればフレキシブルに対応できるものです。

したがって少々わたしのお話にお付き合いください。

結論の役割は二つに大別されるとわたくしは考えます。

まず第一に、

第一の役割

長い話(本論)を短くまとめ、言いたいことを再度言うことで強調する

がございます。

実際に書き物を読んでいて、

「とどのつまり、言いたいことはなんぞや」

と思った経験はございませんか。イラついたあげく、読んでる文章に唾を吐きかけたという方もいらっしゃるでしょう。手塩にかけて育てた文章が唾液まみれになるのを避けるためにも、結論は要ります。

くわえて第二に、

第二の役割

全体を通してでないと話せない内容について述べる

がございます。

この役割の必要性は説明するまでもないでしょう。本論では話せない内容が、結論に行き着いてしまうのは当然のことであります。

以上のように、レポートの結論は役割があります。この役割を意識して、以下ご覧ください。

結論の内容

結論の役割から考えますと、結論の内容としてふさわしいものはご覧のようになりましょう。

  • 目的
    何を目的に、どのような根拠、どのような観点で、どのように論を展開したのか簡潔に述べる
  • 主張の要約
    本論で導いた結論を再度述べて強調する
  • 自己評価や展望
    どうすればさらに説得力が増したか、述べていない論点はなかったかというように自論の弱点を反省する

無論、レポートの種類や性質、分量によっては、これらが不要なものも存在します。

例えば、

  • 情報の整理や分析が主体のレポート
  • 「〇〇についてまとめなさい」のレポート

などでは、自論を主張することはありません。自論を述べないわけですから、もちろん自論を自己評価することもないでしょう。

なにもわたしは「これらすべてを必ず書かかれよ」と申しているのではありません。

むしろ肝心なのは、書いてはならぬことのほうです。目的、主張の要約、自己評価や展望、これら以外のことについて断じて書いてはならぬと言いたいのです。

このことについては次で詳しく話すことにしましょう。

結論における2つの禁忌

ここでは、「結論にて断じて書いてはならぬこと」について述べることといたします。

書きなれていない方は、とかく結論の役割にそっていない内容をあーだこーだと書き連ねてしまいがちです。かくしてレポートの論理性や客観性を自ら落とすことになるのは言うにおよびません。

そうならないためにも、とりわけ次の2点を守られるとよろしい。

  • 個人的な要望・感想を書いてはいけない
  • 主張を加えてはいけない

以下、詳しく説明いたします。

個人的な要望・感想を書いてはいけない

レポートの最後にて、

「このレポートを通して〇〇ということを学んだ」

「これを機に~したい」

などと自分の個人的な要望や感想を述べるのは好ましくありません。学術的な文章に感情的な要素はいらないからです。

最後に君子ぶって締めくくってしまうのは、もっぱら読書感想文の弊害でしょう。大学ではそれらすべて忘れ去ってしまわれて構いません。

くわえて、

「留年しそうなので単位をください」

と書くのはもってのほかです。

再度いいますが、自分の個人的な要望を述べるのは好ましくありません。評価を下げる行為です。

留年しそうであれば、レポートの質を高めることに専念したほうが評価があがるのではないでしょうか。

主張を加えてはいけない

とにもかくにも、あまりに主張と関係のないことをねじ込まなければよろしい。

ただし、ここで気を付けたいのが、本論ではしていなかった主張を結論で新たにくわえてしまうことです。

結論を述べてゆく中で、

  • 本論で導いていない主張
  • 本論以上の主張

のような主張を思いつくこともあるでしょう。それらはあたかも本論から導いた主張のような顔をして近づいてきますが、騙されてはなりません。

先にも述べたように、結論は本論での要点を再確認するためにあります。本論で導いた答えと異なる主張をしまっては、結論の意味がありません。

主張を加えたい場合、加筆しなければならないのは本論です。結論ではありません。

本論と結論の言いまわし

なお、結論は本論の要点の繰り返しだからと言って、本論の文をコピペをするのは好ましくありません。言いまわしを変えるべきでしょう。

結論の正しさは重要ではない

レポートでは結論の正しさに、さほどこだわる必要ありません。

もちろん学術雑誌に掲載されるような論文では、自分の論の正しさを吟味する必要があるでしょう。

しかしながら、それは、

  • 長年の経験
  • 確かな専門性

を備えた専門家にしか成しえない技です。

考えてごらんなさい。元来、レポートのお題となるものは、死刑制度や安楽死の問題のように、やすやすと答えられないものばかりでしょう。

世の中の問題は複雑に絡み合って難解だからこそ、学者が時間をかけて研究しているわけです。

正しい答えなぞ、A4用紙一二枚のみで導き出せはしません。学生が正しさを追求すること、それ自体が難しいことなのです。

ゆえに、わたくしはこのように結論づけます。

答えよりも大事なもの、それは答えまでの過程である。

過程を大事にすれば説得力が増します。

レポートは論文を書くための稽古のようなものです。論理性・客観性を意識しつつ、文章力を鍛えるというところにレポートを書く意味を見いだされたらよろしい。

判然たる答えを用意する

先ほど述べたように、レポートのお題は、複雑で、難解で、専門的な問題がテーマとなります。単純に白黒つけられない問題もありましょう。

こういう問題に直面した際、レポートに不慣れな人はとかく、ぼんやりとした答えに到達しがちであります。

「明確な答えが見つからなかった」

「どちらが正しいとは言えない」

というように。

理路整然と導き出した結果そうなったのであれば、それはそれで一つの解を得たことになりましょう。その解は間違いではありません。

がしかし、その解をそのまま結論とするなかれ。

解が曖昧すぎます。もっとはっきりさせたほうがいい。

明快な解にするために大事なのは条件を付けることです。以下、ごく簡単に例を挙げることとしましょう。

「(主張)である。ただし〇〇の場合は例外である。」

「〇〇の場合は(主張)である。〇〇の場合は (主張)である。 」

解がはっきりさせるには、高校数学のようにそれらを場合分けすればよいのです。答えが曖昧になるのは、解が複数あることが原因でしょうから。

こういう「場合分けをもって解を明瞭とする」という考え方は、なにも結論ばかりの話ではございません。レポートの論理を組み立てる上でも重要なことですので、しかと心得ておくように。

結論のテンプレート

何事も上達は真似からです。

以下から使えそうな文を取り入れれば、レポートらしい表現にぐっと近づきましょう。

結論のテンプレ
  1. 目的
    「本論では~することを目的に~について論じた」
  2. 主張の要約
    「その結果、~が考えられる。特に〇〇においては~」
  3. 自己評価・展望
    「しかしながら、~については明らかにできなかった。 今後の課題としたい」

結論の言いまわしをさらに知りたい方は、レポートにおける最後の締め方|締めの言葉と言いまわしをいくつか紹介するをご覧ください。

まとめ

先にも述べたように、レポートは分野や種類によって書き方はさまざまです。

本記事に記したこと全部が、貴方のレポートに当てはまるわけではございません。当然、例外もあるでしょう。

しかしながら、どの結論も本質は同じです。

  • 長い話(本論)を短くまとめ、言いたいことを再度言うことで強調する
  • 全体を通してでないと話せない内容について述べる

という役割は変わりません。

このように締めくくると、文章において肝要なのはやはり、型の本質を理解することのように思われます。人の教えを妄信するのではなく、一文ごとに「これは書く必要があるのか」と吟味することを忘れてはなりません。

レポートにおける最後の締め方|締めの言葉と言いまわしをいくつか紹介する ]]>
レポートにおける本論の書き方|本論は主張を納得させるために書くhttps://ac-writing.com/report-body/Sun, 20 Feb 2022 17:08:25 +0000https://foreken.net/?p=19155

正直にいって、本論を書くのがもっとも難しい。 「序論の書き方」「結論の書き方」で述べたように、序論や結論には「型」がある程度きまっているので、それになぞらえれば書くことができますが、本論にはそれがありません。 いや厳密に ... ]]>

正直にいって、本論を書くのがもっとも難しい。

序論の書き方」「結論の書き方」で述べたように、序論や結論には「型」がある程度きまっているので、それになぞらえれば書くことができますが、本論にはそれがありません。

いや厳密にいえば、レポートの分野、種類、性質によって書き方が多岐にわたることから、一括りにこうだとは言えないというほうが正しいです。

「本論の型を期待していたのに…」

という方、御免。

しかし、具体的な「型」はなくとも、書き方の「視点」はあります。「視点」が分かれば、友達を出し抜けるぐらいのレベルアップにはつながりますので、そちらでご勘弁ください。

以下、本論の書くにあたって意識すべき視点を説明します。

本論の分量

「序論」「本論」「結論」の分量の目安を以下に示します。

  • 序論
    →分量は全体の10~15程度
  • 本論
    →分量は全体の70~80%程度
  • 結論
    →分量は全体の10~15%程度

これらはあくまでも目安です。分量はレポートによってさまざまですので、臨機応変に対応してください。

本論は「なぜそういう主張をするのか証明するところ」である

本論のメインは「主張すること」ではなく「なぜそういう主張になるのか証明すること」です。

レポートの書き方を知らない方は、「~と考える。~と考える。」というように、なにかを主張しつづけねばという謎の強迫観念をとかく抱きがちです。しかし、それは間違いです。

主張することはいくつも要らない。ひとつだけでいい。

そのかわりに主張にいたった理由や根拠が重要になります。

理由や根拠の重要性は、実生活で想像してみれば分かりやすいです。たとえば、彼女に浮気を疑われたときに、

「俺は浮気していない!(おわり)」

なんて人はいないでしょう。ほとんどの人はなにかしらの理由や根拠を示すはずです。

「俺は浮気していない!このラインが証拠だ。ほらそっけないラインしかしていないだろ⁉信じてくれよ」

というふうに。

レポートも同じです。

人を納得させるためには、主張を述べるだけではだれも信じてくれません。主張までの理由や根拠をしっかりと説明してやっと納得してもらえるようになります。

「本論は理由や根拠をメインで述べるところ」だという意識をもっておいてださい。

証明する際に意識すべき視点

本論の中身はさまざまですので一括りにこうだと断言することはできませんが、最低限これだけは意識しておいてください。

それは、

  • 信頼できる根拠をしめすこと
  • 他者の意見を引用すること
  • 反対意見も提示すること
  • パラグラフライティングを使うこと

です。

これらの視点とテクニックを知っているかいないかで、文章レベルに雲泥の差が出るはずです。

以下でくわしく説明します。

信頼できる根拠をしめすこと

信頼できる根拠があると人を納得させやすくなります。

先ほどの例でいうと、もし仮にラインのやりとりが残っていなければ、「浮気していない」という彼の主張も信じてもらえません。反対に「浮気してるでしょ」という彼女の主張も、ラインが残っていなければ通用しません。

ようするに主張をするには根拠が必要なのです。

そしてその根拠は信用できるものでなくてはなりません。改ざんされているラインのやりとりでは、言わずもがな、なにも議論できませんから。

ここでズルがしこい人は、

「ウソでもホンモノっぽくカモフラージュすれば気づかれないのでは?」

とニヤリとしていることでしょう。

しかし、レポートでそれはできません。根拠がホンモノか、つまり信頼できるかの判断は「引用が正しくなされているか」をみれば分かるからです。

引用元がしめされていない根拠では、それが本当かウソか判断できません。架空の引用元を記載したとしても、調べればすぐにバレてしまいます。

引用は義務感でイヤイヤするのではなく、「信頼性を増すためのいい根拠はないか⁉」というぐらい前のめりなキモチでするものです。ここを勘違いしてはいけません。

このあたりのことは引用なしのレポートではダメな理由でくわしく説明しています。ぜひご覧ください。

引用なしのレポートではダメな理由|参考文献リストを書いただけで満足してはいけない

他者の意見を引用すること

他者の意見を引用するのも、納得させるためのテクニックのひとつです。

よく使われるパターンとして挙げられるのが、

  • 援護パターン
    自分と同じ意見を引用して、「この人も私と同じ意見なんです!」
  • 論破パターン
    自分と反対意見を引用をして、「この人はこう言っているけれど、ここが間違っているのでは?」

この2点です。

援護パターンで注意が必要なのは、他者の引用文ありきの意見になってはいけないということです。

メインはあなたの主張です。

引用文はあなたの主張についている付属品だと思ってください。付属品がメインになってはいけません。

反対意見も提示すること

反対意見を提示することは納得度を高めるためにすこぶる重要です。

自分の意見ばかり主張している文章というのは、なかなか客観的な意見になりにくいからです。

で、具体的にどうやって書いていくかというと、まず自分の頭の中で肯定派反対派を用意します。そしてその二人で議論させます。

肯定派
「俺は浮気していない(主張)!このラインが証拠だ。ほら、女の子にそっけないライン(根拠)しかしていないだろ⁉

反対派
「ここのどこがそっけないっていうの?ほら、ラインの文面(根拠)をみると優しく返事してるじゃない!そしてラリー(根拠)も結構続いてる!」

肯定派
「たしかに今後の人間関係にキズがつかないように既読無視しないで優しく返事をした。ただ、返信時間(根拠)をみてくれよ。めちゃくちゃ時間が空いているだろ?」

というように。

これをさびしく自分ひとりでやって文章に落とし込んでいくイメージです。

ここで注意したいのが、反対派の意見であっても理由や根拠もしっかりと書かないといけないということです。反対派だからといっておざなりにすれば、レポート全体の説得力が弱まってしまいます。

ガチンコで反対意見と戦わせることが重要です。

戦わせてもなお「自分の意見のほうがよい」といえると誰もが納得する主張になります。

パラグラフ・ライティングを使うこと

パラグラフ・ライティングは論文でよく使われる文章構造の「型」です。

書き方を端的にいえば、「ひとつの段落につき、いいたいことはひとつまで。いいたいことは段落に冒頭にもってくる」です。

イメージしやすいように以下に例文を貼っておきます。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたのが、異性として意識しはじめたきっかけだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。
 ただ心配なのは、彼女のほうは誰を好いているのか分からないという点である。彼女は以前、僕に優しくしてくれたことがあったため、僕のことが好きだという可能性はある。しかし、ここで注意したいのが誰にでも優しいという彼女の性格である。彼女は僕以外の男にも優しくしているだろうから、一度優しくされたからといって僕のことが好きだという証拠にはならない。
 この状況で僕が彼女と付き合うために必要なことは、彼女が誰に好意を抱いているか調査することである。なぜなら、彼女に好きな人がいるのか、そして誰のことが好きなのかが分からないと、手の打ちようがないからである。告白をして相手の気持ちを確かめることも可能だが、振られるリスクが高いため現実的ではない。もし仮に他の男子のことが好きだと分かれば、進んでやりたくはないがその男子の悪い噂を流すことも考えられよう。また、彼女が僕のことが好きなのであれば、僕のほうから告白してあげないこともない。要するに僕の次のアクションを決めるためには、彼女の胸の内をすこしばかりでも理解しておく必要があるというわけだ。

文章構造を明確にすることで論理的な文章となり、納得度を高めることができます。

くわしく知りたい方はパラグラフ・ライティングの作法をどうぞ。

パラグラフ・ライティングの作法|文章構造で何をいいたいか伝わりやすくする

まとめ

本記事では本論を書くときの「視点」に注力してお伝えしました。

本論のメインは「主張すること」ではなく「なぜそういう主張になるのか証明すること」です。主張はいくつあっても理由や証拠がなければ人は納得してくれません。

そして、証明する際に意識すべきことは、

  • 信頼できる根拠をしめすこと
  • 他者の意見を引用すること
  • 反対意見も提示すること
  • パラグラフライティングを使うこと

です。

これらは書き方の「型」ではないので、これらを頭にいれておくだけでスラスラと書けるようになるとは正直言いきれません。しかし、構成をねる際の手がかりにはなると思います。

構成を考える際に本記事を参考にされてください。

]]>
レポートにおける客観性とは|文章表現を変えただけでは客観的にはならないhttps://ac-writing.com/report-objective-writing/Sat, 19 Feb 2022 11:29:33 +0000https://foreken.net/?p=20878

自分が過去に書いたレポートを振り返ってみてください。レポートでこのような言葉や文章をつかっている人はいないでしょうか。 「今回学んだことを活かして、これからさらに勉強に励みたいと思う。」「~してよかった」「~は大きい」「 ... ]]>

自分が過去に書いたレポートを振り返ってみてください。レポートでこのような言葉や文章をつかっている人はいないでしょうか。

「今回学んだことを活かして、これからさらに勉強に励みたいと思う。」
「~してよかった」
「~は大きい」
「~のほうがきれいな形状をしている」

実は、これらすべてレポートでは好ましくない表現です。なぜなら客観性のある表現ではないからです。

「は?キャッカンセイ?キャッカンセイとはなんぞや?」

という方もいることでしょう。

答えをさきにいうと、以下の二点をかねそなえた文章が客観的だと言えます。

客観性のある文章とは、だれもが同じイメージをできる文章である

客観性のある文書とは、だれからも信用される文章である

つまり、小説のように人によって感じ方が違う文章ではいけないし、「それって本当?」と疑われる文章でもいけないということです。

さあ、では具体的にどうすれば客観性のある文章になるのでしょうか。どこをどう意識して書けばよいのでしょうか。具体的な書き方をお教えします。

レポートに自分の感想は要らない

客観性を語る前に、そもそものことを話しておきます。

レポートに自分の感想は要りません。

レポートはおのおのが「感想を言い合う場」ではなく、「世の中をよりよくするために議論をする場」だからです。例えば、戦争について議論するときに、

「戦争によって人々が殺しあうのは心が苦しい」
「他国の領土を奪おうとする国がよくないと思う」

というふうに戦争に対するキモチをぶつけあっていても、なにも解決しないでしょう。それよりも大事なのは、

「どうやって戦争を未然に防ぐか」
「戦争による被害を最小限に抑えるためにどうすべきか」

ではないでしょうか。冷静に判断をする場合は、感情を排除したほうが建設的な話し合いができます。議論に個人的な感情は要りません。

したがって、小・中学校で学んできた感想文の書き方というのは、大学では使いません。よくある例として挙げると、

  • 最後はとりあえず、ポジティブなことを言っとけばいい
    学んだことを活かして、これからもっと勉強を頑張りたいと思います。
  • 字数稼ぎのために、いろんな話題にふれて感想を述べていく
    走れメロスを読んで、いきなりメロスは激怒したから始まったので驚いた。また、メロスはセリヌンティウスを助けるためにボロボロになりながら走っていたのが印象的だった。処刑されるまえに間に合ってよかったと思った。

などなど。

このような書き方は全部忘れてしまってください。大学のレポートでは「あなたがどう思っているか」なぞ求められていません。

「うれしい」
「よかった」
「良いと思う」

とだけ書いても、「それがどうした」と言われるのがオチです。自分の思ったことは要りません。

ここでは、議論をする際に感想はいらないという話をしましたが、この一連の説明をきいただけでは、

「そもそも、なぜレポートでは議論をする必要があるのか」

と疑問に思われた方もいるやもしれません。

その答えをひとことで答えると、大学では「学問」に対する考え方が高校までと異なるからです。

くわしく話すと長くなりますので、なぜか知りたい方は大学におけるレポートとはの記事をご覧ください。レポートに「客観性」が必要とされる理由が分かると思います。

大学におけるレポートとは|誰もが納得する文章であることが重要だ

客観性のある文章とは、だれもが同じイメージをできる文章である

では、ここからが本題です。

客観性のある文章とは、だれが読んでも、同じようにイメージできる文章のことです。だれが読んでも、です。

ことばだけで説明されても理解するのが難しいと思いますので、冒頭にあげた「大きい」という言葉を例にあげて説明します。

「大きなアリがいる」

と書かれていたら、あなたはどのくらいのサイズ感を想像しますか。

大きいといってもせいぜい5mm程度だと思う人もいれば、人よりも大きなアリを想像する人もいるかもしれません。

このように「大きい」という表現は、人によって感覚が異なります。だれが読んでも同じようにイメージすることができません。

つまり「大きい」は客観的な表現ではないといえます。

ではこういうとき、どう表現すればいいのか。ここまで答えようと思います。

「大きい」や「小さい」など人によって感じ方が違うことばを使う場合は、二点のテクニックを意識すればよいです。

数字をつかうこと

比較をすること

実際に例をあげてみます。アリの大きさを数字で表現してあげると、

「体長が5mmの大きなアリ」

こうなります。アリの大きさを比較してあげると、

「アリはゾウよりも小さい」

となります。これらはだれが読んでも認識が一致するので、客観的だといえます。

このように比較と数字は、主観的な文章を客観的に変換するときにすこぶる役立ちます。

これらのテクニックをレポートでは、こういうふうに使います。

「実験結果からアフリカゾウの体長は平均7mであった。アルゼンチンアリの体長は平均2.5mmであった。アフリカゾウはアルゼンチンアリよりも大きいといえる。」

かなり鮮明に大きさがイメージできるようになったのではないでしょうか。これが客観性というものです。

ただ注意が必要なのは、「大きい」はレポートで使えますが、「美しい」「きれい」というような表現は使えないということです。比較したとしても、です。

「この人よりあの人のほうがきれい」

といっても「それはお前だけの感覚だろ。ワシはそうは思わん!」といわれてしまうでしょう。むりやりにでも客観的に示したいというのなら、

「この人はあの人よりも、顔のしわが少ない」

というようにして、「きれい」という表現はあきらめるしかないでしょう。

客観性のある文章とは、だれからも信用される文章である

客観性のある文章とは、だれからも信用される文章のことです。

逆にいえば、

「は?何を根拠にそんなこと言ってんの?」
「なんでそういえるの?」
「嘘言ってるんじゃないの?」

といわれないような文章だということです。自分の意見が疑われてはいけません。

では、疑われないようにするには、具体的にどうしたらよいのでしょうか。

その答えは根拠を示すことです。

例をあげて説明します。推理小説を思い浮かべてください。あなたはAとBのどちらを信用しますか。

A:俺は犯人じゃない!絶対に違う!

B:俺は犯人じゃない!カメラに写っているのが証拠だ。

Aは感情に訴えている。Bは証拠をもって冷静に証明している。

信用するならBにきまっています。きちんとした証拠が事実としてのこっているからです。

Aのように感情的に訴えると一部の人は心を打たれるやもしれませんが、言っていることはウソっぱちやもしれません。全員がその言葉を信じることはない。

だから、肝要なのは「事実をもとに意見をのべること」です。

ただ、ときには事実をのべることができない場合もあるやもしれません。その場合、有効なのは「他者の意見を提示する」という方法です。

A:俺は犯人じゃない!絶対に違う!

B:俺は犯人じゃない!証拠はないが、「犯行現場とちがう場所にいた」と証言してくれる証人がいる。

事実がなければ、Bのように他者がその証明をしてくれるといわれると信用できます。

このように、「証拠」や「他者の意見」を引用することで信用させていく、というのがレポートの書き方です。

で、さらに細かくいうと、証拠は証拠でも「信用のできる証拠」でなくてはならないし、意見は意見でも「信用のできる他者の意見」でなくてはなりません。

A:カメラに写っているのが証拠だ。このカメラのデータは改ざんされているかもしれないが。

B:カメラに写っているのが証拠だ。このカメラのデータは改ざんされていない。

A:「犯行現場とちがう場所にいた」と証言してくれる証人がいる。その証人は知り合いだ。

B:「犯行現場とちがう場所にいた」と証言してくれる証人がいる。その証人はあかの他人だ。

カメラのデータが偽データだと信用できません。証人がグルの可能性があれば信用できないでしょう。証拠も意見も信用できるかが大事です。

このようにレポートでも「信用できる証拠・他者の意見」が必要です。

以上のように、信用される文章を書くためには、

事実をもとに意見をのべること

他者の意見を引用して、意見をのべること

この二点が重要です。

そして、事実と他者の意見は信用できるものでなくてはいけません。だれがどこで調査したデータなのか。だれがどこでで言った理論なのか。それらが分からないと信用してもらえません。

だれがどこで、ときいてお気づきの方もいるでしょうか。

そう。「だれがどこで」を書くのが、あの、「参考文献」です。

データや意見を引用する場合は、「参考文献」にしるすこと

「なぜ参考文献を書かねばならぬのか⁉

と、いらだちをふつふつとさせていた方もいるでしょうが、これで解決したでしょう。レポートに、引用や参考文献というのは必須なのです。

ここでは抽象的に説明しましたが、さらに具体的に書いた記事があります。くわしく知りたい方は、引用なしのレポートではダメな理由参考文献なしのレポートではダメな理由をどうぞ。

引用なしのレポートではダメな理由|参考文献リストを書いただけで満足してはいけない 参考文献なしのレポートではダメな理由|客観的な文章にするには文献が必要である

一人称「私」を使うのを避ける

最後に、客観的にみせるための小ワザをお教えしましょう。

レポートでは、一人称「私」を使うのを避けてください。

「私は~」と書いてしまうと、主体が「私」になってしまいます。読んでいる人にとって「私」はそこまで強調する必要ありません。論文などをみても「私」を使っている文章はほとんど見かけないと思います。

ただ、そうは言われても、今まで書いてきた癖は抜けないという人もいるでしょう。どうやっても、

「私は~と考える」

という文になってしまうという人、多いはずです。「私」を避けようとするあまり、違和感のある文章になってしまったという人もいるでしょう。

そういう方に意識してほしいことがあります。それは、

主語をモノや抽象語に変える

ということです。

たとえば、

「本レポートでは~を述べる」
「〇〇のメリットは~であると考えられる」

といったように。

このように、一人称を使わずにレポートが書けるようになると、様になった文章に仕上がります。

さらにくわしいテクニックを知りたいかたは、レポートの一人称の記事をご覧ください。

レポートの一人称|自分のことを「私」と表現してよいのか

まとめ

レポートでは、「客観性」という言葉の意味を見誤っていはいけません。

読者の中には、すこしでも客観的な文章にするために、通常は「思う」「感じる」と書くところを、「考えられる」に変えている、という方もいるでしょう。

しかし残念ながら、それは文章表現をかえて客観的っぽくみせているだけで、あまり意味のない行為です。語尾を言い換えただけでは、文章の内容はすこしも客観的になりません。

本当に大事なのは以下の二点です。

数字や比較をして、だれもが同じイメージをできる文章にすること

信ぴょう性のあるデータや意見をしめして、だれからも信用される文章にすること

これらを頭の片隅において、どうやって表現するか、どうやって意見をのべるかを考えてください。

そうすれば、今よりもはるかにマシな文章ができあがると思います。

]]>
レポートの構成|各パートの役割をただしく知ることがレポートでは重要であるhttps://ac-writing.com/report-configuration/Mon, 31 Jan 2022 13:23:07 +0000https://foreken.net/?p=19161

レポートをうまく、そして速く書くために、重要なことは何だと思いますか。 文章力?発想力? いいや、違います。答えは、レポートを書き始めるまえに「構成」を練っておくことです。 レポートの構成には「型」がありますので、それに ... ]]>

レポートをうまく、そして速く書くために、重要なことは何だと思いますか。

文章力?発想力?

いいや、違います。答えは、レポートを書き始めるまえに「構成」を練っておくことです。

レポートの構成には「型」がありますので、それに沿って書けば最低限の労力でかつ最短で書きあげることができます。そして分かりやすく書くことができます。

構成とその役割をただしく知っておくことは、質とスピードを高めるために必要なことです。

そこで本記事では、

「レポートではどのような構成でかけばいいのだろうか」

とお悩みのあなたに向けて、レポートの構成についてくわしく述べていくこととします。

レポートを論理的にする構成

レポートは一般的に三部構成でできています。

  1. 序論(はじめに)
    →「本論」の全体像を伝える役割
  2. 本論
    →自分の意見を納得させる役割
  3. 結論(まとめ)
    →「本論」を振り返る役割

レポートの流れは、①序論で「本論」の全体像を説明して、➁本論でしっかり説明して、➂結論で「本論」を振り返ります。なにか違和感に気づきましたでしょうか。

あれ、本論の内容を三度くりかえしてない?

そうなんです。実は序論・本論・結論では同じような内容を繰り返し述べているだけなのです。簡単でしょ?

このようにすることで文章構造が論理的になり、格段に読みやすくなります。読み手が一目見て「これが言いたいことなんだな」とわかるようになります。

「構造的なつながり」を意識して論理的なレポートを書くよう心掛けてください。

各構成の分量

「序論」「本論」「結論」の分量の目安を以下に示します。

  • 序論
    →分量は全体の10~15程度
  • 本論
    →分量は全体の70~80%程度
  • 結論
    →分量は全体の10~15%程度

序論は「本論の全体像を伝えるため」にある

序論は「本論の全体像を伝えるため」にあります。

これは読み手への配慮です。人の頭というのは、全体像がわかっているほうが理解しやすいものです。

イメージとしては、現在地をしりたいと思ったときに、「上空からみた地図」をみて全体感を把握しようとするのと同じことです。「ストリートビュー」で見る人はいないと思います。

同じように序論でも、まずは全体像をみせてやります。

序論の要素

序論の要素としてあげられるのは、

  • 背景
  • テーマの重要性
  • 目的
  • 重要な概念の説明
  • 論展開の予告

です。

序論にてこれらを示すことができれば、読んでいる人に全体感が伝わります。そして、あなたが本論で述べたいことがビシッと伝わります。

背景

レポートには必ず背景が必要です。「近年~が起き、~の被害が出た」「~は~と述べている」などそのテーマの現状から説明します。

テーマの重要性

テーマの重要性も述べる必要があります。レポートには論じる意義が必要だからです。「~となれば~が問題となる」というように説明します。

目的

目的はレポートではすこぶる重要です。「~かを問う必要がある」などと論点を明確にしてください。そうしないと読み手はどこに向かって論展開が進んでいくのか分からないからです。

重要な概念の説明

レポートの論点に重要な概念があるときは、その説明をすることもあります。いきなり難しい用語を出されて読み手が混乱しないように、「~とは~のことである」と最初に定義しておきます。

論展開の予告

結論に向かってどのように論を展開していくか述べます。「~を比較し、~を検討する」というように、先に全体像を書いておくことで読み手が準備できます。論展開だけでなく、結論を先に述べておいてもよいです。

序論の書き方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

レポートにおける序論の書き方|「はじめに」の書き方を例をもちいて解説する

本論は「自分の意見を納得させるため」にある

本論は「自分の意見を納得させるため」にあります。

人を納得させるためには、主張を述べるだけではいけません。「なぜそういう主張になったのか」を説明してやっと納得してもらえるようになります。

本論で大切なのは「なぜ」の部分です。

本論の要素

本論の中身はさまざまなので、具体的にこういうことを書けと言うことはできませんが、意識しておいてほしいことはあります。

それは、

  • 信頼できる根拠をしめすこと
  • 他者の意見を引用すること
  • 反対意見も提示すること
  • パラグラフライティングを使うこと

です。

きちんと根拠を示すこと

信頼できる根拠をしめすと、人は納得します。ウソか本当か分からない根拠は、納得度を高めることにつながらないので、書いてもまったく意味がありません。

他者の意見を引用すること

他者の意見を引用するのも、納得させるためのテクニックのひとつです。よく使われるのが、自分と同じ意見を引用して「この人も私と同じ意見なんです!」という援護パターンと、自分と反対意見を引用をして「この人はこう言っているけれど、ここが間違っているのでは?」という論破パターンです。

反対意見も提示すること

反対意見を提示することも納得度を高めるために重要です。反対意見にも触れて、それでもなお「自分の意見のほうがよい」といえると誰もが納得する文章になります。

パラグラフ・ライティングを使うこと

パラグラフ・ライティングは論文でよく使われる書き方です。文章構造が明確にすることで論理的な文章となり、納得度を高めることができます。

本論の書き方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

レポートにおける本論の書き方|本論は主張を納得させるために書く

結論は「本論を振り返るため」にある

結論は「本論を振り返るため」にあります。

長い文章だと最初に話していたことを覚えていないこともあるでしょう。本論を振り返ることで、本論でいったことを再度確認します。

結論の要素

結論の要素としてよく見られるのは、

  • 論展開の振り返り
  • 結論
  • 自己評価・今後の展望

この三点です。

論展開の振り返り

結論ではまずはじめに、論展開の振り返りをします。ここでは、何を目的に、どのような根拠、どのような観点で、どのように論を展開したのか簡潔に述ることが大事です。そうすることで結論が伝わりやすくなります。

結論

本論で導いた結論を再度述べます。再度述べることでいいたいことを強調する効果があります。必ず書いてください。

自己評価・今後の展望

自分の書いたレポートを振り返って評価することもあります。ここでは、どうすればさらに説得力が増したか、述べていない論点はなかったかというように自論の弱点を反省し、「今後の課題としたい」と述べます。

結論の書き方についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

レポートにおける結論の書き方|「おわりに」についての根本的な考え方を伝授する

まとめ

本記事ではレポートの構成について説明しました。

レポートは、序論・本論・結論で構成します。

それぞれのパートで何を書くかはレポートによりけりです。課されるレポートによって書くべき内容は変わってきます。

ここで大切になってくるのは、それらの各パートの役割をただしく覚えることです。

  • 序論は「本論の全体像を伝えるため」にある
  • 本論は「自分の意見を納得させるため」にある
  • 結論は「本論を振り返るため」にある

この役割だけは頭の片隅にいれておけば、さまざまなレポートで応用が利くと思います。必ず役に立ちますので心にとめておいてください。

]]>
レポートにおける最後の締め方|締めの言葉と言いまわしをいくつか紹介するhttps://ac-writing.com/report-last-sentence/Sun, 07 Nov 2021 06:02:44 +0000https://foreken.net/?p=21710

レポートを書きなれていない。そんな人はレポートの最後に、次のような文を書いてしまいがち。 このレポートを通して~を学んだ。 これを機に~したい。 こういう「最後に前向きなこと言っとけばいいっしょ」的な文章は、レポートには ... ]]>

レポートを書きなれていない。そんな人はレポートの最後に、次のような文を書いてしまいがち。

このレポートを通して~を学んだ。

これを機に~したい。

こういう「最後に前向きなこと言っとけばいいっしょ」的な文章は、レポートにはいりません。

レポートでは、簡潔に意見と根拠を伝える。それがすべてです。感想や無駄にいいことを言おうとする必要はない。最後はあっさりと終わるのが普通なんです。

では、具体的にどのような締め方をすればいいのでしょうか。

その答えは、次のどちらかで締めくくることです。

  • 結論
  • 自己評価

この2パターンで締めると、レポートや論文らしく仕上がります。以下でくわしく解説します。

※本記事は最後の言いまわしに重点をおいています。結論全体の書き方についてはレポートにおける結論の書き方|「おわりに」についての根本的な考え方を伝授するをご覧ください。

パターン1:結論で締めくくる

締めの言葉でよくあるのが、結論を最後にもう一度いうパターン。

このとき、注意してほしいのは同じフレーズの繰り返しです。

「さいごに結論を書けばいいんだろ!」と早合点して、さっき書いた結論の文をそのままもってきてはいけません。同じ文が続くのは、スマートじゃないですからね。

ということで、言いまわし変えて結論を述べます。

しかしながら、結論で締めくくると言っても、どんなフレーズをつかえばいいのかイメージできないでしょう。そこで使えそうな例文を用意しました。

結論

以上で論じてきたように、〇〇は ~である。

条件つきの結論

~に思われる。ただし、~に限っては~であろう。

条件を最後にして締めくくるのは、結論を「YES」や「NO」だけで答えられないとき。「基本的にYESだけど、こんな場合のときだけはNOね」みたいなときに使います。

疑問形の結論

〇〇は~なのではないだろうか。

疑問形の結論をつかうのは、文学や歴史など、「解釈」が結論となる分野です。これら以外の分野ではあまり見ない印象です。

総括

〇〇は~であることを確認して終わることとしたい。

パターン2: 自己評価で締めくくる

最後に自分の論を客観的に分析するのもよくあるパターン。

どんなところが評価できるか。自分の論に弱点はあるのか。他に論じるべきことはないか。これらを自分自身で評価します。

このパターンでよく使われるのは、

弱点:〇〇ができなかった → 展望:今後の課題としたい

という文章構成です。

自分の文章のどこがダメかを自分自身で指摘することで、

「ここの論が甘いってのは自分でも分かってんすよ」
「もっとくわしく論じたかったけど、字数オーバーで…」

というようにうまく書けなかった言い訳を暗にすることができる。さらにこれからの展望につなげることができる。結構つかえます。

ということで、用意した例文をいくつか紹介します。

評価

このことから~(仮説など)は妥当だと考えてよいだろう。

見つけた課題

本稿では、~を明らかにした。しかしながら、~については明らかにできなかった。 今後の課題としたい。

まとめ:パターンさえ知っとばいい

最後にまとめです。レポートや論文の最後は、

  • 結論
  • 自己評価

このどちらかで締めると、それなりの文章に見えます。

このように、レポートや論文なんて、書き方のパターンさえ知っておけばいいのです。もし書けないのなら、それは書き方を知らないだけ。センスがないとかではありません。

「形から入って心に至る」

中身はダメでもまず形から。書き方の「型」をマスターできれば、おのずと中身もついてきます。

レポートにおける結論の書き方|「おわりに」についての根本的な考え方を伝授する ]]>
レポートにおける序論の書き方|「はじめに」の書き方を例をもちいて解説するhttps://ac-writing.com/report-introduction/Wed, 27 Oct 2021 08:51:37 +0000https://foreken.net/?p=19116

レポートの序論では、心がけなくてはならぬことがあります。 それは、「人を思いやる」ことです。 と言えば、突飛なことだと思われるやもしれませんが、私はべつだん気を引こうとして言っているわけではありません。本心で申しています ... ]]>

レポートの序論では、心がけなくてはならぬことがあります。

それは、「人を思いやる」ことです。

と言えば、突飛なことだと思われるやもしれませんが、私はべつだん気を引こうとして言っているわけではありません。本心で申しています。

序論の作法の根底には、「思いやり」が存在します。

誤解なきよう平易に言い換えますと、本記事で私が申したいのは、

「とりわけ序盤では読み手を想定されよ」

ということであります。詳しくは、以下でお話しいたします。

とりわけ序論では読み手を想定されよ

思いやりのある文章を書くには、まずこの二点を知らなくてはなりません。

  • 序論は前置きではない
  • 序論の役割は本論の全体像を伝えることである

以下で詳しく説明します。

序論は前置きではない

序論と聞いて、前置きを想像される方がおられるでしょう。

しかし、序論は前置きとは少々異なります。いや、全くの別物だと認識されたほうがよろしい。

前置きとは 

前置きとは本題に入る前の言葉です。たとえば、日本には時候の挨拶という伝統的な習慣があります。

「桜花爛漫の候、ますます輝かしい春をお迎えのことと存じます」

などからはじまる挨拶文というのは風情がありますよね。

この習慣の影響もあるのか日本人は、とかく前置きをしてから話し始めがちです。

レポートには前置きは要りません。

考えてみてください。関連性のさほどない文章を無駄に読まされる気持ちを。

こういう風に読み手のことを思いやりますと、序論では前置きを捨てて、スパッと本題に入ることが肝要なのであります。

「本題に入るのは本論からではなく、序論から」

このことを肝に銘じられよ。

序論の役割は本論の全体像を伝えること

「序論では前置きなしで本題に入る」と聞けば、序論は本論と同じもののように思われるやもしれません。

かしかし無論、序論には序論の役目があります。

序論にてやるべきことは、本論の全体像を伝えることです。

言い換えれば、「序論で本論の予告をする」ということです。

何故そういうことをしなくてはならぬのでしょうか。その解は、やはり読み手のことを思いやることで見えてきます。

本論の全体像が伝えられれば、さながら地図を得たかのごとく、本論はたちまち読みやすくなることでしょう。反対に、本論の全体像がなければ、さながら暗闇の中を手探りで進むがごとく、読解するのに苦労することでしょう。

要するに、本論が同じ内容であっても、この心がけひとつで、全体の読みやすさが大いに変わるのです。

序論を書くのは最後

ここまでの話を聞いて勘の鋭い方はすでにお分かりでしょうが、本論の内容がかわると序論も書き換えなくてはなりません。序論は本論の全体像なのですから。

無理強いはしませんが、序論を書く順序は、本論や結論を書いた後にすることをおすすめします。

序論にて書くべき内容

先で「序論では全体像を見せよ」と言いましたが、具体的にどういうことを述べなくてはならぬのでしょうか。

全体像を見せるために書くべき要素は、以下の三点が挙げられます。

  • なぜそのテーマを選んだのか
    →背景・選んだテーマの重要性
  • 何について話すのか
    →テーマ・目的・問い・重要な概念の説明
  • いかにして説明するのか
    →論展開の予告・結論

これらが冒頭にて示されれば、貴方がやりたいことが明確になります。

ただし、実のところ序論で書かねばならぬことは、レポートの性質によりけりです。

それゆえに、

「序論ではこれらすべてを含めよ!」

などと声高らかに断言することはできません。

それらの要素については、「全体像を伝える」という序論の役目を念頭に置いて、各個人で取捨選択してもらわなければならぬことを断っておきます。

序論のテンプレート

書き出しに必要な要素をふまえると、序論で書くべきことは以下のとおりです。

序論のテンプレ
  1. 背景
    「20××年、〇〇の事件があり~」
  2. 明らかにすべき課題の重要性
    「~は重要な課題になっている」
  3. 目的 大切
    「本論は~することを目的とする」
  4. 重要な概念の説明
    「ただし、ここでいう〇〇とは~」
  5. 論展開の予告
    「~について解説し、~について論じることにする」

目的の書き方

「目的」は序論の最重要項目と言っても過言ではありません。

目的の書き方次第で、レポートの全体像はぼやけて見えたり、はっきり見えたりするからです。

例をあげて説明しましょう。たとえば抽象的な目的を述べた場合です。

抽象的な目的

×「本論ではスポーツ競技について論じる」

これでは、本論で何について論じられるのか判然としません。どういう答えが述べられるのか想像できません。

対して、具体的な目的を述べた場合です。

具体的な目的

「本論では、スポーツにおいて性別を2つに分けて競技をする必要性について論じる」

こうすれば明々白々たる答えが、本論にて述べられることが予測できます。

目的というのは「抽象的」に書いてはなりません。

できるだけ「具体的」に書くのが勘どころなのであります。

論点を読者に伝えるために序論はあるのです。

もしも具体的に、そしてピンポイントに書けない場合は、テーマが広すぎるのやもしれません。そういうお方は、テーマの決め方の記事をご覧ください。

序論の割合

以下に「序論」「本論」「結論」の分量の目安を示します。

  • 序論
    →分量は全体の10~15程度
  • 本論
    →分量は全体の70~80%程度
  • 結論
    →分量は全体の10~15%程度

序論の分量は全体の10~15%程度とされています。

がしかし、目安はあくまでも目安であって、目安を目標と思い違いをしてはいけません。むやみやたらに書いたとしても全くの無意味なのです。

読み手のために書かねばならぬことを綴っていたら、10~15%程度になるということです。肝要であるのは、やはり序論の役割を果たしているかです。

文字数が少ないレポートの場合

文字数が少ないレポートの場合、テンプレート最後の「論展開の予告」は要りません。わざわざ展開を教えてくれなくても、サラサラと読めてしまえるからです。

序論が全体の15%をゆうに超えるようなら省いてもいいでしょう。

序論の例

序論を書くのに参考になる論文があったので紹介します。

1. はじめに

 アカデミック・ライティングにおいて引用の指導は欠かせないものであるが、その効果的な指導法の開発はまだ十分とは言えない。特に間接引用については、原文を要約して行う引用と説明される傾向が見られるものの、その要約方法を具体的に示す教材や指南書はごくわずかである。一方で、読解・作文指導では要約指導に関して多くの知見を有しているが、その蓄積は間接引用の指導に適用できるのだろうか。そこで、本稿では教材や指南書の解説を整理し、読解や作文における要約と間接引用における要約との異同を明らかにするとともに、間接引用に必要となる要約とその指導法はどのようなものかを考察する。

中村かおり・近藤裕子・向井留実子「アカデミック・ライティングにおける間接引用で求められる要約とは」

ネットで論文を探して、書き方を真似するのもいいかもしれません。

まとめ

序論にて大事な考え方は、

読み手のことを想定して書く

ということでした。こう考えれば、序論にてやるべきことはただひとつです。

本論の全体像を伝えること

を意識することで、たちまち本論は読みやすくなります。

具体的に書くべき内容は、以下の三点です。

  • なぜそのテーマを選んだのか
    →背景・選んだテーマの重要性
  • 何について話すのか
    →テーマ・目的・問い・重要な概念の説明
  • いかにして説明するのか
    →論展開の予告・結論

これらを書けば、読み手を思いやった序論が仕上がります。

]]>
感想レポートの書き方|例文をもちいて論理的な感想文の書き方を説明するhttps://ac-writing.com/report-impressions/Mon, 25 Oct 2021 14:31:43 +0000https://foreken.net/?p=20215

本記事では以下のような疑問を解決します。 レポートは読書感想文とは違う。 「おもしろかった。驚いた。」 なんて感想は高校生までにしておきましょう。素直に思ったことや感情を書いても稚拙な文章しかできあがらないってのは、感覚 ... ]]>

本記事では以下のような疑問を解決します。

  • 感想レポートってどんなふうに書けばいいのか
  • 書き方を具体的におしえてほしい
  • 例文をみせてほしい

レポートは読書感想文とは違う。

「おもしろかった。驚いた。」

なんて感想は高校生までにしておきましょう。素直に思ったことや感情を書いても稚拙な文章しかできあがらないってのは、感覚的に分かるはずです。

しかし、それならどんなふうに書けばいいのでしょうか。

その答えは「論理的に」書くことです。

本記事では、「感想レポートを論理的に書いてみないか」という提案をします。そして論理的に感想レポートを書く方法を伝授します。例文もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

レポートは論理的でなくてはならない

レポートは「論理的に」書くのが基本です。

でも、論理的に書くってどうすればいいのか。

論理的に書くというのは「理由や筋道をしっかりと書く」ということ。すなわち結論にいたるまでの過程をしっかりと書けばいいんです

ただ、これだけだと書き方が分からないと思うので、具体的な方法を紹介します。それは文章を書き始める前に、次の2つの準備をするのです。

  • 一つの「問い」を設定する
  • 「なぜ?」をくりかえし、その答えを集める

今回はこれらを使って、感想レポートを書いていきます。

でもその前に、なぜこの2つが重要なのか詳しく知りたい方のいるでしょう。そんな方は、論理的なレポートの書き方をどうぞ。

レポートにおける論理性とは|理由や経緯をくわしく書くことでレポートは論理的になる

感想レポートの書き方

では、一から実際に書いてみましょう。

今回は『走れメロス』の感想文を書くことにします。本を読んでの感想レポートですが、講義レポートも同じようにすれば書けるはずです。

書き方は以下の3ステップです。

  1. 問い
  2. 答え
  3. 過程

さぁそれでは、ぱぱっと説明していきましょうか。

問い:「問い」を自分で設定する

まず最初に、「問い」を自分で設定します。ここでは、

冒頭文「メロスは激怒した。」にこめられた作者の意図とは何だろうか。

にします。

この「問い」には、実際に疑問に思ったことや引っかかったことを設定すればすんなりと決められます。

答え:問いの「答え」を出す

「問い」が決まると、あとはその「答え」を次のように自分自身で導きだせばいいです。

  • スピード感のある世界観を演出するためだった
  • 最後の一文「勇者は、ひどく赤面した。」ときれいな対比にしたかった
  • インパクトのある文を冒頭で出すことで、読者の興味を惹きつけたかった

軽く考えるだけでも、けっこう出てきます。しかし、これだけではまだ考えが浅い。

過程:「なぜ?」とその答えを繰り返す

さらにそれらに対して「なぜ?」という疑問をぶつけていきます。そして、それに答えていきます。

  • なぜテンポのある世界観が演出される?
    →簡潔な短い文を使用することで、小刻みなリズム感のある、スピード感のある文章になるのではないか。臨場感を出すために、そのような文体で工夫されているのだろう。
  • なぜ最後の一文ときれいな対比にしたのか?
    →主語がメロスから勇者になったことで、メロスが成長したことを強調したかったのではないか。
  • なぜ惹きつけられるのか?
    →最初、読者はメロスが激怒したわけを知らないまま読み進めることになる。そうすると、その理由が知りたくなって読み進めてしまうのだと思う。

まだこれでも浅いですが、さらに、

「なぜ?」→「答え」→「なぜ?」→「答え」→

と繰りかえすことで、最初の段階では思い浮かばなかったようなことを思いつくようになります。

説得力を持たせるには、ここが重要。考えれば考えるほど洗練された文章になります。

ポイント

一つの「問い」に対して、さまざまな方向からの「なぜ?」をくりかえすことで、鋭い洞察ができる

とりあえず、書く前にやるべきことはこれで終了。あとは浮かんだ考えを取捨選択、構成して書くだけです。構成の仕方については次の例文をどうぞ。

感想レポートの例

『走れメロス』を読んでの感想レポートの実例を以下で紹介します。

ただ、内容はそれっぽいことを書いているだけです。まぁ重要なのは論理的かってことなので、ニュアンスだけでも参考にしてください。

『走れメロス』の冒頭文にこめられた太宰の意図とは

 太宰治の『走れメロス』を読みだすと、テンポのある文章に乗せられて、いつの間にか作品の世界観に没頭していた自分がいた。それはこの作品に読者を惹きつけるための技法が多くの文に用いられているからであろう。中でも特にこの作品で衝撃的だったのは、冒頭の「メロスは激怒した。」という短い一文である。この冒頭文にこめられた太宰の意図は何だろうか(問いを明らかにする)。以下で推測してみたい。

 まず注目したいのが、始めの文を簡潔に短くした太宰の意図である(段落で話すことを冒頭で明らかにする)。一般的に簡潔な短い文を使用すると、小刻みなリズム感が生まれスピード感のある文章になる。現にメロスが親友を助けるために急いで走るシーンでその技法が使われており、作者はそれを意識して短い文を使っているのが見てとれる。
 しかしながら、冒頭ではどうであろうか。メロスは走ってはいない。スピード感のある動きや焦りを表現しているわけではなさそうである。となれば、メロスが激怒していることに意識が向く。つまり、この短い一文は、メロスの感情の動いた速さを表しているのであろう。王の悪行を聞いたメロスの感情は一気に沸点に達したことがうかがえる。
 このように太宰は、短い文を使って、文意だけでは読み取れないメロスの心情まで表現しようとしたのであろう(最後に段落のまとめ)

 次に注目したいのが、冒頭文は最後の一文「勇者はひどく赤面した」と対句になっている点である(段落全体で話すことを冒頭で明らかにする)。主語を比較すると、「メロス」が「勇者」に変わっている。ここでのポイントは、呼び方を変えたのが登場人物ではないということにある。呼び方を変えたのは語り手である。物語を俯瞰的に見ている語り手が呼び方を「勇者」に変えたということは、すなわち誰が見ても勇者と呼べるような人物にメロスがなったということを暗示しているようである。物語を通してメロスが成長したということを最後に伝えたかったのであろう。
 また、述語は「激怒した」から「ひどく赤面した」になっている。ここで注目してほしいのは、この2語のギャップである。「激怒した」メロスの怖くて激しい一面と対照的に、「赤面した」という表現が、メロスの人間らしい柔らかな雰囲気を印象的にしている。すなわち、冒頭文は最後のメロスの人間らしい一面を強調する役割を担っていると言えよう。
 このように冒頭文があることで、最後に伝えたいことが見えてきたり、最後の文が印象的に映ったりする。冒頭文には結び文の意味を強調する「前フリ」の役割があるのは間違いないであろう(最後に段落のまとめ)

 以上のことから、走れメロスの冒頭文には太宰の2つの意図がこめられていることが推測できた(最後に全体のまとめ)。それは文の長さでメロスの心情を表現しようという意図と、結び文が強調されるようにしようという意図である。その他、冒頭部分を時系列通りに配置しなかった意図など考察できる部分はあったが、今回それらについて触れることができなかった。しかしその結果がどうであれ、「メロスは激怒した。」は人の心を鷲掴みにするために厳選された9文字であることに変わりないであろう。

どうでしょうか。

自分の思ったことや考えたことしか書いていないのに、典型的な読書感想文とはまったく印象が違いますよね。ちょっと論理的に書いただけで、こうも差がでます。

レポートとは本来こういうものです。

ただ実際は感想文というお題だし、もっと感情をいれたり自分の経験なんかを入れたりしてもいいのかもしれません。感想文って自由度が高いですから。

しかし今回は、論理的な感想文を書くというのがテーマだったので、ゴリゴリに書いてみました。批評文みたいになりましたが、このぐらいやってもいいと思うのです。大学生なんですから。

まとめ

本記事で言いたかったことをまとめます。

読書感想文のような文章から脱却するためには、「論理的に書く」という意識が必要です。そして論理的に書くための次の2つの方法を使ってみてください。

  • 一つの「問い」を設定する
  • 「なぜ?」をくりかえし、その答えを集める

これらはほかのレポートにも使えます。覚えておくと論理的な文章が書きやすくなります。

関連論理的なレポートの書き方

レポートにおける論理性とは|理由や経緯をくわしく書くことでレポートは論理的になる

最後の最後に感想レポートの評価について

読書感想文的な文章が嫌いな教員はいても、論理的な文章が嫌いな教員は大学にいないはずです。

大学教授が書いている「論文」は論理的な文章の最たるものだからです。それに寄せて書いてるわけですから間違いありません。

ただし、レポートの評価の良し悪しは、担当教員の好みも多少入ってくるでしょう。ですから、必ずしも今回の書き方で良い評価がとれるという保証はできません。

論理的な文章を書いて、みなさんが良い評価をもらえることを願っています。

]]>
レポートにおける論理性とは|理由や経緯をくわしく書くことでレポートは論理的になるhttps://ac-writing.com/report-logical-writing/Sun, 24 Oct 2021 18:33:47 +0000https://foreken.net/?p=20751

「レポートは論理的に書け!」 とよく言われますが、論理的ってそもそもなんなのか。そんなに大切なものなのか。どこをどう意識すれば論理的になるのか。っていうか論理的に書かないといけないとか初めて聞いたわ。 と、このようにそも ... ]]>

「レポートは論理的に書け!」

とよく言われますが、論理的ってそもそもなんなのか。そんなに大切なものなのか。どこをどう意識すれば論理的になるのか。っていうか論理的に書かないといけないとか初めて聞いたわ。

と、このようにそもそも論理的とはどういうもののことを言うのか分からない方も多いでしょう。

そこで本記事では「論理的とは」という本質的なところから、論理的な文章の書き方まで説明します。

ここでまず、本記事で言いたいことを伝えておきます。

論理的な文章を書くときに意識してほしいことは、

結論にたどりつくまでの「過程」を大切にすること

です。これにつきます。

詳しくは本記事で説明します。

結論までの過程がなによりも大事

レポートでは結論までの過程を大事にしてください。

というのも理由や経緯がしっかりとしてるほど、人というのは納得するからです。

分かりやすく説明するために例をあげてみます。推理小説などで、犯人さがしをするシーンを想像してください。

「お前が犯人じゃないの?」

と言われたとき、どう答えれば疑われずに済むでしょうか。

  1. 俺は犯人じゃない!犯人でじゃないって言っているじゃないか!
  2. 俺は犯人じゃない!その時間、俺は外出していたんだ!その証拠はないけど・・・
  3. 俺は犯人じゃない!その時間、俺は外出していたんだ!外出したことを証明してくれる証人もいる。

①がもっともあやしまれるでしょう。なぜなら、感情的になっているだけで「犯人ではない」と主張する理由が分からないからです。

次にあやしいのが②です。証拠がないと、信用してもらえません。

反対に、③のように理由や経緯をしっかりと言える人は信用されます。

レポートや論文もこれと同じです。意見をいうためには、理由や経緯、証拠が必ずいります。

大学におけるレポートとはの記事でも話しましたが、大学では信用されることが何よりも大事です。

研究でなにかを発見したときに、まわりから「この結果はあやしい・・・」だとか「なぜそう言えるのか?」、「それは嘘だ!」と疑われないようにしないといけません。自分のみちびいた結論は正しいんだと証明する必要があります。

だから、結論までの過程を大事にします。

結論は人によって違う

レポートにおいて「どのような結論になったか」は、そこまで重要な要素ではありません。

なぜなら、この世の中、”絶対的な答えはない”ということのほうが多いからです。

答えがひとつではないから、文章で答えるのです。

特にレポートのお題は、人によって答えが違うものが多いです。例えば「安楽死を認めるべきか」という問いに対する答えは人によってさまざまでしょう。

人によって答えが違うから、皆で論じて答えを出していこうとしています。

ただ、そういうテーマは答えるのが難しいものが多いです。

どう答えればよいか分からないということもあるでしょう。こういう難しい問題にこたえるときの、Tipsがあります。それは、

結論に「条件」を付けることです。

例えば、

「さまざまな文献を読んでいたら、安楽死を認めることも認めないことも難しそうだ。条件付きでこういうときは認めるというのはどうか」

というように。

必ずしも「わたしはこう考える!」と言い切る必要はありません。

反対の意見の人も納得するような答えを模索してみてください。皆に「確かに一理ある」と思わせることができれば、結論がどうであれ文章としてそれは上出来だといえます。

もちろん「人を殺すことはよいことだ」というような極論は例外ですが。

ポイント

結論は人によって違う。結論よりもその結論にいたった過程のほうが大切。

論理的な文章を書くには2つの準備が必要

ここでは論理的な文章の書き方を教えます。

文章を論理的にするためには準備が必要です。思いついた言葉を徒然なるままに書いていても、論理的な文章にはなりません。絶対になりません。

文章を書き始める前に、以下2つの準備をやってみてください。

  • 一つの「問い」を設定する
  • 自問自答をくりかえす

以下で詳しく説明します。

「問い」を1つ設定する

結論がいくつも見うけられる文章は、論理的だとはいえません。

なぜなら、その文章で「結局なにをいちばんに伝えたかったか」が分からないからです。

ダメな例:主張したいことがどれか分からない

COを増やさないようにするために原発はあったほうがよいと考える。また、COの排出を減らすために太陽光発電を増やすべきである。くわえて風力発電も増やすべきである。

見てもわかる通り、いろんなものに手を出して意見すると、ひとつひとつの意見が浅くなる。いわゆる「広く浅く」という感じです。これではなんの説得力もありません。

これを解消するためには、「狭く深く」書くことが重要です。書く前に「問い」をひとつだけ設定し、「答え」もひとつだけにします。

よい例:議論するポイントを1つに絞る

脱原発すべきだろうか。私はすべきでないと考える。その理由は2つある。1つ目はCO2の排出量を増やすことにつながるから。2つ目は電気代の値上がりにつながるからである。

このように議論するポイントをひとつに絞ることで、バシッと言いたいことが伝わります。

言いたいことがひとつであれば、その理由や経緯をくわしくかけるのは言うまでもありません。理由や経緯がくわしくかけるので、文章が論理的になります。

問いを設定するというのは、言いかえればテーマを設定するということです。問いの設定のしかたについてくわしく知りたい方は、テーマの決め方をどうぞ。

レポートにおけるテーマの決め方|例をもちいてテーマの良し悪しを説明する

自問自答をくりかえす

「問い」を1つ設定することで、理由や経緯をくわしく書きやすくなったと思います。

次は内容をどうやって論理的にするかです。

文章を論理的にするには、自問自答をくりかえすイメージで構成を立てていきます。

「?」→「答え」→ 「?」→「答え」→

というように。

具体例は以下のとおりです。

自問自答を繰り返す

脱原発に反対である。なぜならCO2の排出量を増やすことにつながるからだ。

  1. なぜ脱原発するとCO2の排出が増える?
    →火力発電は原子力発電は比べてCO2の排出が多いから
    • なぜ火力発電と原子力発電を比べてる?それ以外の発電もあるんじゃ?
    • なぜ原子力発電は火力発電に比べてCO2の排出が少ない?
    • なぜCO2の排出が少ないというだけで火力より原子力のほうがよいと考えるのか?
      • なぜ・・・
  2. なぜCO2の排出を減らさないといけない?
    →CO2が増えることにより地球温暖化が進むから
    • なぜ地球温暖化を防ぐことを最優先に考えているのか?
    • なぜ・・・

このように、思いつくだけ多くの自問自答をしていきます。答えがうまくだせなければ、情報収集をして材料をあつめます。

情報収集をしていると、当初の答えとは正反対の答えになることもあるでしょう。そうなれば、構成を練りなおしてください。

そうして、出した答えを集めてつなげていくと、文章の形がおぼろげながらできてくると思います。

論理的な文章は、こういう風に一歩一歩、論理の階段をのぼっていくイメージでつくりあげていきます。

ここで注意いただきたいのが、私はかならずしもこの方法をつかって書けといっているわけではありません。私が話しているのは、あくまで論理的な文章のつくるさいのイメージです。

論理的な文章とは、自問自答が集まっている文章です。自問自答して書くと、他の人が読んだときに「この結果はあやしい・・・」だとか「なぜそう言えるのか?」、「それは嘘だ!」などと疑われることは少なくなります。

論理を積み上げて、読んだ人が納得する文章にしたててください。

まとめ

「論理的」の正体は、理由や経緯をしっかり述べることです。

たとえ感想レポートであっても、説明型レポートであっても、論証型レポートであっても、この論理的な文章の書き方は同じです。

そして、どんなレポートでも本記事で学んだ2つの方法、

  • 一つの「問い」を設定する
  • 自問自答をくりかえす

これらを書く前に考えてください。そうすればおのずと論理的な文章がかけるようになるはずです。

]]>