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パラグラフ・ライティングの作法|文章構造で何をいいたいか伝わりやすくする

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だれもが一度は思ったことがあるはずです。

「文章を ”楽に” そして ”分かりやすく” 書ける魔法のような方法はないものかね」

と。

実はあります。それがこのパラグラフ・ライティングです。

このパラグラフ・ライティングは文章構造の「型」です。だれもが論理的で読みやすい文章を書くことができる「型」です。

このやり方さえ習得できれば、文章は格段に書きやすくなります。

これから詳しく説明します。

パラグラフ・ライティングとは

パラグラフ・ライティングとは、伝えたい内容を「段落ごと」にわけて書く手法のことです。

段落ごとにいいたいことが一目で分かるため、読み手が読みやすい文章構成となります。

基本的に以下の文からパラグラフは成り立ちます。

  • トピック・センテンス
  • サポート・センテンス
  • コンクルーディング・センテンス
  • リンキング・センテンス

これらのカタカナを見ても、なんのこっちゃ分からないと思います。ここでは、

「パラグラフ・ライティングでは段落分けがされていて、それぞれの文章に役割があるのね」

ということが分かれば、それで結構です。

これから具体例をあげながらパラグラフ・ライティングのやり方を説明します。

パラグラフ・ライティングのやり方

パラグラフ・ライティングは、以下の方法さえ守れば、だれでも自由自在に使いこなすことができます。

  • パラグラフで言いたいことはひとつまで
  • トピック・センテンスはパラグラフの冒頭にもってくる
  • サポート・センテンスでいいたいことの補助をする
  • 必要あればコンクルーディング・センテンスやリンキング・センテンスを使う
  • トピック・センテンス同士がつながるようにしないといけない

難しいことを書いているようですが、案外簡単です。

以下でくわしく説明します。

パラグラフでいいたいことはひとつまで

段落分けされた文章のあつまりのことをパラグラフと呼びます。パラグラフでは、いいたいことを”ひとつだけ”に絞って書きます。

以下、「僕は愛子ちゃんと付き合いたい」ということをいいたいこととして、パラグラフを書いてみました。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

このパラグラフはどのように作られたのでしょうか。これから説明します。

トピック・センテンスはパラグラフの冒頭にもってくる

「トピック・センテンス」とはパラグラフの一番はじめの文のことです。

このトピック・センテンスに、いいたいことを書きます。パラグラフの芯となる文章ですので、パラグラフの要約文という認識でもよいです。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

この例文を読めばわかるとおり、パラグラフの冒頭文さえ読めば、パラグラフ全体の内容が大まかに分かります。

このトピック・センテンスが、パラグラフ・ライティングの肝です。

サポート・センテンスでいいたいことの補助をする

次に「サポート・センテンス」を書いていきます。

これはその名の通り、補助的な役割の文です。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

例文のサポート・センテンスでは「愛子ちゃんが好きで、付き合いたい」と考える理由や経緯を説明しています。文字通り、言いたいことをサポートしているのがわかるでしょう。

サポート・センテンスを書く上で注意してほしいのは、話が脱線してはいけないということです。「愛子ちゃんが好きだ」ということをメインで言っているのだから、

「梨花ちゃんのことも気になっている」

といった関係のない話はしてはいけません。

必要あればコンクルーディング・センテンスやリンキング・センテンスを使う

そして最後の文が「コンクルーディング・センテンス」です。

こちらはパラグラフ全体をまとめるセンテンスで、最後にもってきます。トピック・センテンスと同じ内容を繰り返すこともあります。

このコンクルーディング・センテンスはあってもなくても構いません。必要なときに付け加えるというイメージです。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。異性として意識しはじめたきっかけは、以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたことだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。

コンクルーディング・センテンスと同じように、必要があれば「リンキング・センテンス」を使うこともあります。

リンキング・センテンスとは、パラグラフとパラグラフとを論理的につなぐ役割を果たす文のことです。通常パラグラフの最後に付け加えますが、次のパラグラフの最初に書く場合もあります。

トピック・センテンス同士がつながるようにする

パラグラフ・ライティングでは、トピック・センテンス同士がつながるようにしなくてはいけません。これも重要です。

以下、パラグラフ・ライティングで書いた文章です。読むのがおっくうな方は、もちろん全文読む必要はありません。パラグラフ・ライティングなのでトピック・センテンスだけ読んでみてください。

 僕は隣のクラスの愛子ちゃんと付き合いたいと思っている。なぜなら愛子ちゃんはいつも笑顔でかわいらしく、誰にでも優しいからだ。もちろん僕にも優しい。以前僕がテストの点数が悪くて落ち込んでいたとき、励ましてくれたのが、異性として意識しはじめたきっかけだ。愛子ちゃんの優しいひとことに僕の心がトゥンクと鳴ったのは今でも忘れられない。その事件以降、僕は愛子ちゃんのことを目で追うようになった。このような経緯から、僕は気づかないうちに愛子ちゃんのことを好きになっていた。
 ただ心配なのは、僕ばかりが愛子ちゃんのことが好きで、彼女のほうは誰を好いているのか分からないという点である。彼女は以前、僕に優しくしてくれたことがあったため、僕のことが好きだという可能性はある。しかし、ここで注意したいのが誰にでも優しいという彼女の性格である。彼女は僕以外の男にも優しくしているだろうから、一度優しくされたからといって僕のことが好きだという証拠にはならない。
 この状況で僕が彼女と付き合うために必要なことは、彼女が誰に好意を抱いているか調査することである。なぜなら、彼女に好きな人がいるのか、そして誰のことが好きなのかが分からないと、手の打ちようがないからである。告白をして相手の気持ちを確かめることも可能だが、振られるリスクが高いため現実的ではない。もし仮に他の男子のことが好きだと分かれば、進んでやりたくはないがその男子の悪い噂を流すことも考えられよう。また、彼女が僕のことが好きなのであれば、僕のほうから告白してあげないこともない。要するに僕の次のアクションを決めるためには、彼女の胸の内をすこしばかりでも理解しておく必要があるというわけだ。

トピック・センテンスで話の流れがつながっていると思います。

話の流れをつなぐために重要なのは、「トピック・センテンスは何にしようか」と考えながら書いてはいけないということです。

行き当たりばったりではパラグラフ・ライティングはできません。文章構成を練るときに文章を考えておく必要があります。

この構成を練るときに考える文章のことを「アウトライン」というのですが、話が長くなるのでここまでにしておきます。

まとめ

以下にパラグラフ・ライティングを構成する文の説明をまとめました。

  • トピック・センテンス
    一番言いたいことや重要なことを要約した文。パラグラフの先頭にもってくる。
  • サポート・センテンス
    トピック・センテンスで言ったことの定義や根拠、事例や手順などを述べた補助的な文。
  • コンクルーディング・センテンス
    パラグラフが長くなった場合に、パラグラフ全体をまとめたりトピック・センテンスをもう一度繰り返す文
  • リンキング・センテンス
    パラグラフとパラグラフとを論理的につなぐ役割の文。通常パラグラフの最後に付け加えるが、次のパラグラフの最初に書く場合もある

基本的につかうのは、トピック・センテンスとサポート・センテンスです。とりあえずこれらを覚えておけば問題ありません。

そして重要なのは、トピック・センテンス同士のつながりです。うまくつなげるためには、文章を書くよりまえに文章構成を練っておくことが大切です。

ここまでできればパラグラフ・ライティングは誰にでもできます。

本記事ではほんのちょっとふざけた例文をあげてしまいましたが、論文やレポートなど論理的に書きたいときに大いにつかえる手法です。使いこなせるようになっておいてください。

参考文献