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引用の書き方|レポートや論文での正しい引用の仕方を解説

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以前、こちらの記事で、「引用のないレポート・論文なんてないんだよ」ってことを力説しました。

引用なしのレポートではダメな理由|参考文献リストを書いただけで満足してはいけない

引用がなかったら、それはもう論文(レポート)とはいえません。それぐらい、学術的な文章において「引用」というのは重要なものなのです。

そこで、本記事では以下のような悩みを解決します。

  • レポートで引用をするときの形式を知りたい
  • 直接引用と間接引用の違いについて知りたい
  • 引用をうまく使うためのテクニックを教えてほしい

引用って聞くと、漠然と「他からもってきた文章を写すだけだろ」って思う人は多いはず。

いや、引用はそんな簡単なものじゃない。

意外と扱うのが難しく、引用を間違えて使っている大学生は多い。というか、ほとんどが間違って使っていることに気づいてない。

そこで本記事では、引用の形式だけでなく、間違ってしまいやすいポイントも紹介します。


※本記事では、引用の使い方がイメージしやすいように、実際の論文を例文として使用しています。その際、引用の方法を統一するために、原文の文献注を一部書き替えています。

※引用の形式は分野や教員によってさまざまです。もしも教員から書き方の指定があったら、そちらに従ってください。

引用とは

レポート・論文には、

「自分の意見」と「他人の意見」を区別する

という大原則があります。

学術的な文章を書くときには、他人の意見をあたかも自分の意見のように言うのは許されません。剽窃や盗用となるからです。

剽窃・盗用とは

剽窃他人のアイデアを自分のものと偽ること
盗用他人の作品を無断で使用すること

剽窃・盗用は著作権法に違反する行為。正しい引用をすることで避けることができる。

そこで「引用」の出番です。正しい引用をすることで、

「レポートの”ここ”の部分は、参考文献の”ここ”で言ってましたよ」

と読んでいる人に伝えることができます。

引用のルール

レポートや論文で引用するときのルールを紹介します。

  • 引用をしたら参考文献を示す
    →本文中と本文後に記載する。
  • 著者への敬称はいらない
    →「山田氏は」「山田さんは」とするのではなく、「山田は」とする。
  • 信頼性のない文献からの引用は避ける
    →著者や発行年がわからない文献からの引用はできるだけしない。
  • 孫引きをしてはいけない
    →引用は原典から直接する。他人が引用したものをさらに引用してはいけない。

これらは引用をするときの基本です。必ずおぼえておいてください。

引用の種類

引用には2種類あります。

  • 直接引用(≒引用)
    他者の文章の一部もしくは全体を “そのまま” 「抜粋する」引用のこと。
  • 間接引用(≒参照≒参考)
    他者の文章を自分の言葉で「まとめる」引用のこと。

直接引用と間接引用の書き方について、以下でくわしく解説していきます。

文献注の書き方

引用をしたら、そのすぐあとに「文献注」をつけます。
※本サイトでは、参考文献をしめす注釈のことを文献注と略して表現しています。

基本的な書き方

文献注はふつう、次のように書きます。

文献の一部分から引用するとき

(著者名 出版年: ページ)

文献全体から引用をするとき

(著者名 出版年)

ページのあるなしは、文献の一部分から引用するのか、文献全体から引用するのかで決まります。

直接引用は必ずページまで書かないといけません。文献全体から直接引用をすることはまずないからです。

引用が複数ページにまたがるとき

(清水 1979: 68-9)

著者が2人のとき

(上村・大井 2004)

著者が3人以上のとき

(岩垂ほか 2001)

文献注についてさらに細かく知りたい方はこちらをどうぞ。

文中における引用表示|引用したあとの参考文献の書き方を解説する

ネットから引用するときの書き方

ネット上の文献であっても著作者がわかる文献なら、上述したように文献注を書きます。

いっぽう、著作者がわからない文献については、注をつけてそこにサイト名やタイトル、URL、閲覧した日付を書きます。もしくは次のように文献注を書けばいいです。

~と述べている(「SISTとは」https://jipsti.jst.go.jp/ 2021年9月16日閲覧)。

著作者がわからないネットの文献は、参考文献として扱いません。したがって、参考文献リストに書く必要はありません。

ネットからの引用についてさらに細かく知りたい方はこちらをどうぞ。

ネットからの引用|文中における引用表示の書き方も解説する

直接引用の書き方

直接引用は名前のとおり、他の人が書いた文章を直接(そのまま)引用すること。一文字たりとも言い換えるのはNGです。

直接引用は文の長さで引用方法が異なります。

  • 短い引用
    →3~4行以内に引用文がおさまるとき
  • 長い引用
    →3~4行以上の長い引用文になるとき

具体的な引用方法は以下で説明します。

短い引用(3~4行以内)

2~4行以内で引用文がおさまる場合は、「  」で引用文をくくります。

文献注は「  」のすぐあとにつけます。

短い引用の基本ルール

  • 短い引用の場合は、「  」で引用文をくくる
  • かぎカッコのあとに必ず文献注(著者名 出版年: ページ)をつける
  • 引用する文章中に「  」が使われている場合、その「  」を『  』に変える
  • 引用文の一部を省略したい場合、省略箇所を……で表す

長い引用(3~4行以上)

小園晃司(2020)「漫画由来の中国語表現における日本言語文化的特質」をもとに作成

3~4行以上の長い引用をする場合は「 」を使いません。「 」の代わりに、

  • 前後に1行ずつのスペース
  • 行頭に全角2字分のスペース

をとります。

この引用は他の引用に比べてあまり使いません。長い文は間接引用をすることが多いからです。使うのは著者の表現を「そのままつかいたい!」というときだけです。

長い引用の基本ルール

  • 前後に1行ずつのスペースをとる
  • 行頭に全角2字分のスペースをとる
  • 引用文の一部を省略したい場合、省略箇所を …… で表す
  • 原文が段落分けされていたら、引用文も段落の頭にスペースをとる

直接引用について、さらに細かく知りたい方はこちらをどうぞ。

直接引用の書き方|レポートで他者の文章を抜粋するときは直接引用を使う

 

間接引用(参照)の書き方

間接引用の文献注のつけ方は、つぎの2通りです。

研究者名のあとに文献注をつけるタイプ

二通(2009)は、 ~ と述べている。

言及したあとに文献注をつけるタイプ

二通は、~ と述べている(二通 2009)

どちらを選んでもOKです。ただし、ひとつのレポート・論文ではどちらかに統一しないといけません。

間接引用を使うのは、

  • 文献の存在を提示するとき
  • 他の文献の内容をまとめて述べるとき

この2パターンです。具体的な例を使って紹介します。

文献の存在の提示するとき

他の文献の内容をまとめて述べるとき


間接引用について、さらに細かく知りたい方はこちらをどうぞ。

間接引用の書き方|間接引用はただの「要約」ではないことを解説する

引用をさらによくする方法

文のねじれに注意する

 〔著者〕によると、 ~ と述べている。

引用をするとき、文がねじれないように注意してください。上の例の場合は、

  • 「〔著者〕によると、 ~ という。」
  • 「〔著者〕は ~ と述べている。」

のどちらかにするのが適切です。

〔著者〕によると/によれば
~という。
〔著者〕は
~と述べている。
~としている。
~と主張している。
~と指摘している。
~とされている。

引用の際の文のねじれに関しては、こちらの論文で触れられていました。

引用の目的をはっきりさせる

引用をするときに意識するべきことは、

引用をして自分が何か言いたいか

です。引用は、何かを主張するための材料でしかない。引用文を並べて、ただただ情報を羅列するだけではいけないのです。※知識整理型のレポートは除く

あまりイメージが湧いていない人に、もっと詳しく説明すると、引用には「引用をするべきタイミング」があります。それは、

引用をつかうタイミング

他者の意見を自分の意見の「根拠」とするとき

です。

具体的に、引用したものを根拠とするのは、以下のようなときが多いでしょう。

  • そのテーマを選んだ理由を述べるとき
    こんな問題(不十分な点)があって、それを明確にする必要があるよね。だから自分はこのレポート・論文で、その問題について書いたよ。
  • 複数の意見を挙げて自分の意見を述べるとき
    この人はこんなことを言っているよ。ほかの人はこんなことを言っているよ。それらの意見をふまえて、自分はこんなふうに考えたよ。
  • 自分と同じ意見を挙げるとき
    自分とは違ったアプローチをした他の人も自分と同じことを言っているよ。自分の言っていること正しいよね?
  • 反対意見を挙げるとき
    自分の意見とは反対の意見を言っている人がいるよ。でも、こういうところが間違っているんじゃないの?

そのほかにも、引用を使うタイミングは、定義や先行研究の内容を提示するときなど、まだまだあります。

が、とりあえず初めのうちは「引用したものは根拠として使う」とだけ覚えておけばいいです。


引用する際の「目的意識」の重要性について、こちらの論文でくわしく述べられています。

大学生がする引用の問題点について詳しく分析されているので、ぜひ読んでみてください。おすすめです。

引用に対する意見・解釈を述べる

レポートや論文では、引用をしたあとに自分の解釈を述べるようにしたほうがいい。自分の解釈がないと、なぜその引用をしたのかわからなくなるからです。

具体的に説明します。

たとえば、引用文の解釈があるとき。

解釈ありの例

(引用文)
魚にはDHAが多く含まれているらしいよ
 ↓
(解釈)
DHAが多いってことは、つまり魚を食べると頭が良くなるってことだよね
 ↓
(自分の意見)
頭がよくなりたかったら魚を食べるといいよ

このように、自分の解釈をくわえることによって、「他者の意見」と「自分の意見」につながりが生まれます。

逆に、自分の解釈がなかったとすると、

解釈なしの例

(引用文)
魚にはDHAが多く含まれているらしいよ
 ↓
(自分の意見)
頭がよくなりたかったら魚を食べるといいよ

このように論理が飛躍しているのが見てとれます。これじゃスムーズに読めない。

やっぱり引用文を解釈することがミソなんです。

論理的な文章にするために、引用文を自分の言葉で「解釈」「意見」「総括」してください。

解釈文の例


「解釈」については、こちらの論文でくわしく述べられています。

直接引用と間接引用の使い分ける

直接引用と間接引用は、「目的」によって使い分けることが重要です。

直接引用をつかう場面
  • 引用する文が短いとき(3~4行以上)
  • 原文の表現をそのまま伝えたいとき

直接引用は、一種の強調表現です。「 」でくくったり、スペースをとったりするわけですから。

だから、「直接引用」ばかりの「文章」って、「わずらわしい」んです。こんな文のように「 」をつけすぎると。わざわざ「強調」する必要のない「引用」だったら、「間接引用をつかう」ことも選択肢にいれておきましょう。

間接引用を使う場面
  • 引用したい部分が長いとき(3~4行以上)
  • 引用文を強調する必要がないとき

あまりにも引用文が長くなるときは、間接引用をして短くまとめたほうがいいです。しかし、文章が長くなっても著者の表現をそのまま使いたいときは、直接引用を使います。

引用するときに意識することは、文の長さだけではありません。引用文の内容だけが必要なのか、それとも表現そのものが必要なのか、ということを意識することも重要なのです。


こちらの論文で、直接引用と間接引用の使い分けについて触れられていました。

引用箇所をはっきりとさせる

自他の区別がわからない形式を用いている

引用箇所がはっきりしていない文章というのは、どんな文章なのか。例をあげてみます。

悪い例

冒頭の〔著者〕によると ~ があることによって、 ”ここから” が引用だということ分かります。しかし、”どこまで” が引用なのかわかりません。

このような場合は、「述語」を使ってどこまでが引用なのかをはっきりさせます。

良い例

どれが誰の意見なのかはっきりと分かりますよね。

ちなみに、動詞で他者の意見だとはっきりとさせるには、

  • 動詞に「~ている」をつける
  • 受け身の動詞を使う

この2つを使うといいです(清水 2010)。

例をあげておきます。

引用文の文末表現
~ と指摘している
~ と定義される
~ と述べられている
~ ことを挙げている


引用文の文末表現については、こちらの論文で細かく分析されています。

まとめ:引用のない文章は「論文」ではない

引用の必要性や役割なんかについて語られるときに、こうよく言われます。

「剽窃や盗用に避けるために引用が必要なんだ」

と。もちろん、それも重要なんですが、ただそれだけの知識で引用を扱っていても、うまく使いこなせません。それよりも、実際に使うときに意識すべきなのは、

引用は、自論の信頼性・説得力を高めるためにある

ということ。読み手を納得させるために、引用をしないといけないのです。ただし、ここで勘違いしてほしくないのが、

「引用をたくさんしろ」

といっているわけではありません。自分の論とは関係ないところで引用しても意味がない。信頼性のない文献から引用しても意味がない。信頼性や説得力が高まるわけではないからです。

したがって、とりあえず初めのうちは、

  • 自論の「根拠」となる部分で引用をつかう
  • 「信頼できる文献」から引用をする

ということを肝に銘じて引用をしてみてください。

ただ、信頼できる文献というのがどんなものなのか、ネットだとどこで手に入れれるかなど、よくわかってない人もいると思います。そんな人は、信頼できる文献の探し方をどうぞ。

ネットを使った参考文献の探し方|レポートや卒論で役立つ文献検索の方法を紹介する

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引用のスタイルについて詳しく知りたいなら

次の2つのサイトが読みやすくて参考になります。ただし、引用のスタイルは学会よって違うので、あくまでも参考程度に。