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本記事では以下のような悩みを解決します。
- どんなネットの記事なら参考文献にしていいのか
- ネットの記事を参考にしたときの参考文献の書き方を、例をつかって教えてほしい
- URLが長すぎるときはどうすればいいのか
ネットの文章を参考にして、レポートを書いている大学生は多いはず。本よりもネットで情報収集したほうが圧倒的にはやいですからね。
そこで本記事では、大学生がよく使うサイトを中心に、参考文献の書き方を紹介します。
目次
ネットの文献を参考にする前に知っておくべきこと
インターネットから拾ってきた文章を参考にレポートを書こうとしているあなた。ちょっと待ってください。
その文献は本当に参考文献として適切ですか?
レポートを書くまえに、
- 信頼性が必要
- ネットで文献を探す方法
この2つを以下で確認しておきます。
参考文献には信頼性が必要
なぜ参考文献には「信頼性」が必要なのか。それは信頼性のない文献を参考にすると、自分のレポートの信頼性もなくなるからです。
わかりやすく説明するために2つの文を比べてみます。
「~と考えられる。なぜなら友達が言っていたからだ」
「~と考えられる。専門家が調べたデータが根拠である」
後者のほうが圧倒的に説得力がありますよね。
つまり、参考文献は「誰」が書いたかが重要なのです。
どれだけ真面目にレポートを書いたとしても、どれだけ時間をかけてレポートを完成させたとしても、参考文献が適切でなければ説得力のあるレポートをかくことはできません。
以上の内容は、こちらの記事でくわしく説明しています。
参考文献なしのレポートではダメな理由|客観的な文章にするには文献が必要であるネット上で信頼できる文献を探す方法
信頼性のある文献を探すためには、信頼できるページか見分けられないといけません。目安として次の3つを基準に判断するといいです。
- 誰が書いたのかで判断する
- URLで判断する( .ac.jp や .go.jp ならOK)
- 現物があるかで判断する
また、Googleで検索して文献を探すときは、以下のようなキーワードで検索してみるのがおすすめです。
「”検索ワード” .pdf」
ネット上の文献の探し方について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
ネットを使った参考文献の探し方|レポートや卒論で役立つ文献検索の方法を紹介する参考文献の書き方(ネット上の文書)
ネット上の文献の種類を以下の6つに分けました。
- ウェブサイト
- ブログ
- 論文(電子ジャーナル)
- 電子書籍
- 統計データ
- 新聞記事データベース
- ネット上の辞書
これらの参考文献の書き方を以下で紹介します。
※もし教員から書き方の指示があった場合はそちらにしたがってください。
※参考文献の書き方はさまざまありますが、本サイトは『社会学評論スタイルガイド』の書き方を採用しています(ただし完全準拠ではありません。)
ウェブサイト(ホームページ)
ウェブページではURLで文献を分けます。
たとえば、同じサイト内の2つのページを参考にした場合でも、まとめて表記してはいけません。違う文献として表記します。
日本語
著者名,出版年もしくは最終更新年,「タイトル」,ウェブサイト名,(取得日,URL).
例
日本社会学会,2021,「文献」,日本社会学会ホームページ,
(2021年7月23日取得,https://jss-sociology.org/
bulletin/guide/document/).
例
日本社会学会,2021,日本社会学会ホームページ,(2021年
7月23日取得,http://www.gakkai.ne.jp/jss).
例
厚生労働省,2019,「平成 25 年国民生活基礎調査の概況」,
(2021年7月22日取得,https://www.mhlw.go.jp/toukei/
saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/).
例
文化審議会著作権分科会,2019,「文化審議会著作権分科会報
告書」,文化庁,(2021年7月20日取得,https://www.
bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/
r1390054_02.pdf).
英語
著者名, 最終更新年, “タイトル,” ウェブサイト名, (取得日, URL).
例
Jeffrey Broadbent, 2021, “Double Comprehension for a
Climate Change Solution,” Washington, DC: American
Sociological Association, (Retrieved July 30, 2021,
https://www.asanet.org/double-comprehension-
climate-change-solution).
ブログ
ブログを参考文献としたときの書き方は、ウェブサイトのときとほとんど変わりません。ウェブサイトと違うのは、記事作成日を記載することぐらいです。
日本語
著者名,最終更新年,「タイトル」,ブログ名,記事作成日,(取得日,URL).
例
渡辺潤,2021,「斜陽の衛星放送」,film&tv,2021年7月30
日,(2009年2月2日取得,http://web.tku.ac.jp/~juwat/
blog/film_blog/2021/03/post_134.html).
英語
著者名, 最終更新年, “タイトル,” ブログ名, 記事作成日, (取得日, URL).
例
DeLong, Brad, 2007, “Thomas Piketty and Emmanuel Saez
Give Their Current View on American Income
Inequality,” Grasping Reality by Brad DeLong, January
7, 2007, (Retrieved July 30, 2021, https://delong.
typepad.com/sdj/2007/01/thomas_piketty_.html).
論文(電子ジャーナル)
論文は学術雑誌に収録されているものがほとんどです(たまにネット公開のみの論文もある)。その雑誌がネットで公開されているものなら閲覧することができます。
論文の入手先として代表的なサイトは以下の2つ。
- CiNii Research
論文や本などの学術資料を検索できるサイト。「本文リンクあり」にチェックを入れて論文検索すると、PDFで入手できる論文が表示される。 - J-STAGE
こちらも論文などの学術資料を検索できるサイト。論文を探すのに慣れていないのなら、こちらのサイトのほうが感覚的に使いやすいのでおすすめ。
もし参考にした論文の雑誌名やページ数がわからない場合、「論文のタイトル 著者」でGoogle検索してみると、どこの雑誌に収録されているか分かるはずです。
日本語
著者名,出版年,「論文のタイトル」『雑誌名』巻(号): 論文の初ページ-終ページ,(取得日,URLまたはデータベース名).
※ページ数がない場合(ネット上でのみ公開の論文)についてはページ数を省略してよい。
例
渡邊勉・竹ノ下弘久,2008,「特集 階層移動研究の最前線」
『理論と方法』23(2): 1-3,(2021年7月30日取得,https:
//www.jstage.jst.go.jp/article/ojjams/23/2/23_2_2_1/_
pdf/-char/ja).
英語
著者名,出版年,「論文のタイトル」『雑誌名』巻(号): 論文の初ページ-終ページ,(取得日,URLまたはデータベース名).
例
Scott, Lionel D., Jr. and Laura E. House, 2005, “Relationship
of Distress and Perceived Control to Coping with
Perceived Racial Discrimination among Black Youth,”
Journal of Black Psychology, 31(3): 254-72, (Retrieved
December 16, 2006, JSTOR).
電子書籍
日本語
著者名,出版年,『タイトル』(紙媒体の刊行年,出版社),電子媒体出版社,(取得日,URL)または(フォーマット).
例
島田裕巳,2012,『キリスト教入門』(2012,扶桑社新書),
Renta,(2021年7月30日取得,https://renta.papy.co.
jp/renta/・・・).
英語
著者名, 出版年, タイトル, 出版地: 出版社, (取得日, URL)または(フォーマット).
統計データ
統計データの入手先としてつかえるサイトを以下に示します。
- e-Stat
統計データ(国土・人口・賃金・経済など)が得られるサイト
日本語
データ作成者名,作成年,「データ名」,(取得日,サイト名・URL等).
例
総務省統計局,2020,「男女別人口及び人口性比-全国,都道
府県(大正9年~平成27年) 」,(2021年7月23日取得,
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/).
英語
データ作成者名, 作成年, “データ名,” (取得日, サイト名・URL等).
例
National Center for Health Statistics, 2021, “Demographic
Characteristics of People Receiving COVID-19
Vaccinations in the United States,” (Retrieved July 30,
2021,https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/
#vaccination-demographic).
新聞記事データベース
過去の新聞記事データの入手先として代表的なサイトは、以下のとおり。
- 聞蔵Ⅱビジュアル(朝日新聞社)
1879年~現在までのすべての朝日新聞記事を読める - ヨミダス歴史館(読売新聞社)
明治から現代までの読売新聞記事1200万本以上がネットで読める - 日経テレコン(日本経済新聞社)
過去40年分の新聞・雑誌記事から経済情報を知ることができる
これらのサイトは大学内のLANにつながないと利用できないはずです。利用方法は大学図書館のホームページを見てください。
新聞は文献というより、資料の性格が強い。したがって、参考文献リストに載せる必要はなく、文中注で以下のように書きます。
~である(『朝日新聞』2021.7.30朝刊)。
このように出典を注記するだけでいいです。
※署名入りの文章の場合は、文献リストに記載して文献注もつける。
ネット上の辞書
辞書を参考文献として記載することはほとんどありません。
なぜなら、「定説」や「一般常識」と呼ばれるものについては、わざわざ引用する必要がないからです。くわしくは以下の記事をどうぞ。
どこまでが剽窃・盗用なのか|レポートの参考文献と引用の扱い方を解説するURLが長いときの対処法
原則、URLは最後まで記載しなくてはいけません。
しかし、サイトのURLが異様に長い場合は見栄えが悪くなってしまう。こんなときは代わりに、
そのサイトのトップページのURL
を張っておけば大丈夫です。
参考文献を書くのは、あなたの文章を読んだ人が、あなたが参考にしたサイトに行きつくことができるようにするため。サイト内検索で、参考にしたページまでたどり着けるのなら、なんら問題ありません。
まとめ
本記事では、ネットでの調べものがこのページだけで完結するように、
- 参考文献の書き方
- レポートでつかえるサイトへのリンク
を一緒に紹介しました。完璧にインターネット上の参考文献を扱えるようになったはずです。
しかし、どうせまたレポートを書くときになると、
「参考文献の書き方を忘れた…」
「サイトの名前を忘れた…」
となってこの記事に再び訪れることになる。確実に。なので、本記事をブックマークしておくことをおすすめします。
「検索の仕方」について非常にくわしく解説されている本。
レポートの書き方が学べる本の中で、この本が「ネットの使い方」について最もくわしく書かれています。
参考文献の書き方に特化している本。
SIST02に準じていて、さまざまな文献の書き方が網羅されています。参考文献についておそらく最もくわしく書かれている本です。